
仕掛品と契約資産の違いをわかりやすく解説
みなさんは「仕掛品(しかけひん)」と「契約資産(けいやくしさん)」という言葉を聞いたことがありますか?
どちらも経理や会計の世界で使われる言葉ですが、意味や使われ方が大きく異なります。仕掛品は、製造業の現場で使われる言葉で、まだ完成していない製品、つまり製造途中のものを指します。一方、契約資産はサービス提供や工事契約などで使われ、売上の一部がまだ回収されていないものを意味します。
この記事では、この二つの言葉の違いを中学生にもわかる言葉でやさしく解説していきます。
仕掛品とは何か?簡単に説明します
まずは仕掛品から説明しましょう。仕掛品とは、商品の製造途中のものです。例えば、工場でおもちゃを作っているとします。まだ全部の部品が組み合わされていなかったり、ペイントが終わっていなかったりすると、そのおもちゃは「仕掛品」と呼ばれます。
つまり、完成品ではないけれど、既に材料費や人件費がかかっているものですね。会計では、この仕掛品も資産の一つとして計上されます。
仕掛品の特徴は、製造が途中で止まっていることと、完成すれば売上が計上されることです。
契約資産とは?売上とお金の取り扱いに注目
次に契約資産を考えてみましょう。契約資産は、まだお金としては回収されていないけれど、会社が提供したサービスや商品に対して請求できる権利のことを言います。
たとえば、家のリフォームをする会社を想像してみてください。この会社はリフォーム工事を着手し、作業の一部を終えましたが、契約に基づいて全額をまだもらっていない状態です。
この場合、その工事分の売上を契約資産として計上します。お金はまだもらっていなくても、企業にとっては「確実に売上として認められるお金」の一部なので、会計上このように処理します。
仕掛品と契約資産の違いを表でまとめてみた
それでは、仕掛品と契約資産の違いをわかりやすく表で比較してみましょう。
ポイント | 仕掛品 | 契約資産 |
---|---|---|
対象 | 製造途中の製品・商品の在庫 | 提供した商品やサービスのうち未回収の売上 |
業種での使用例 | 主に製造業 | 主にサービス業や建設業など |
資産の性質 | 物理的なモノ(製品) | 権利(請求権) |
費用発生状況 | 材料費や労務費が既にかかっている | サービスの提供や工事の進捗に応じて売上計上 |
売上認識 | 完成したら売上計上 | 進行基準で売上計上 |
このように、仕掛品は「まだ完成していない製品そのもの」、契約資産は「売上のうちまだお金を受け取っていない部分」という点で大きく違います。
まとめ:経理で仕掛品と契約資産を正しく理解しよう
経理の現場では、仕掛品と契約資産を混同しないことが大切です。
・仕掛品はモノであり、製造途中の在庫
・契約資産は売上債権に近いもので、サービスの提供に応じた請求権
この違いを理解すると、会社の経営状態がより正確に見えてきます。
今回の内容をもとに、仕掛品と契約資産の違いをしっかり押さえておきましょう。
この記事で出てきた「契約資産」という言葉は、少し難しいけど実はとても重要な概念なんだ。たとえば、家のリフォームをする会社があるとする。工事の途中でお金を全部もらっていないけど、作業を進めた分だけはしっかり売上として計上できる。これが契約資産の考え方だよ。つまり、まだお金は手元に来ていなくても会社にとっては価値がある“権利”なんだ。中学生のうちにこういう会計の仕組みを知っておくと、大人になってからも役に立つかもしれないね。
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