
人権と自然権とは何か?まず基本をおさえよう
私たちが生きているうえで大切にされるべき権利には、人権と自然権という言葉があります。どちらも「大事な権利」の意味ですが、少し意味や成り立ちが違います。
まず自然権は、生まれながらにして持っている権利のことです。例えば「自由に生きる権利」や「命を守られる権利」がそうですね。これは誰かから与えられたものではなく、人間であるだけで持っている権利だと考えられています。
一方で人権は、社会や法律によって守られ、保障される権利のことを指します。つまり、自然権をもとにして作られた社会のルールの中で「みんなが平等に持てる権利」なのです。
簡単に言うと、自然権は「人間の原則的な権利」、人権は「社会で認められた権利」というイメージになります。
この違いを押さえたうえで、次の見出しでさらに詳しく説明していきましょう。
自然権の歴史と特徴について
自然権は17世紀ごろのヨーロッパで考えられた考え方です。哲学者のジョン・ロックは「すべての人は生まれながらにして自由や生命、財産を守る権利を持っている」と説きました。
この考え方が「自然権」です。つまり、自然権は「人が自然状態で持っている基本的な権利」ということになります。
特徴としては、誰も奪うことができない生まれつきの権利であることです。また、国や法律がなくても持っていると考えられています。
しかし歴史を見てみると、自然権が守られないことも多かったため、社会の中で実際に守るために法律や憲法が作られました。
自然権は抽象的な概念で、「こうあるべき」という理想の権利と言えるでしょう。
人権の仕組みと社会での役割
一方で人権は、自然権の考えをもとにして作られた社会の中で守られる権利です。学校や国の法律、国際的な条約などがこれを守るためにあります。
たとえば、憲法に「すべての国民は平等で差別されない」というルールが書かれているのも人権の一部です。人権は社会のルールとして具体的に決められているので、問題が起きたら裁判所などで守ってもらうこともできます。
また、時代とともに新しい人権が認められたり、社会での考え方が変わったりすることもあります。
つまり人権は、自然権の理想を実現するために、司法や立法が支えている「具体的な権利のセット」と言えます。
人権と自然権の違いをわかりやすくまとめると?
ここまで説明した内容をわかりやすく表にしてまとめました。
ポイント | 自然権 | 人権 |
---|---|---|
意味 | 生まれながらに持つ基本的な権利 | 社会や法律で守られる具体的な権利 |
起源 | 17世紀ごろの哲学的考え方 | 自然権をもとに歴史の中で作られた法律や社会のルール |
保障の仕組み | 国や法律がなくても持つ権利 | 憲法や法律で守られ、裁判などで争える |
変化 | 基本的に不変の理想 | 時代や社会状況によって変わることがある |
このように自然権は人間として本来持っている権利、人権はその権利を実現する近代社会のルールと理解するとわかりやすいです。
日常生活の中でも、自分の意見を言ったり自由に行動したりできるのは、人権が守られているからです。
ぜひこの人権と自然権の違いを知って、社会での自分の立場や権利について考えてみてくださいね。
自然権って、実はとっても哲学的で深い話なんです。生まれながらに持つ権利というけれど、国がない時代でも人は自由でいられるのか、法律がなくても守られるのか、考えると結構不思議ですよね。事実、昔の王様が勝手に権利を奪うこともあったから、みんなで『自然権』を守る仕組みとして憲法や法律が生まれたんです。だから自然権はただの理想じゃなくて社会を良くするためのヒントともいえますね。
前の記事: « 占有権と留置権の違いをわかりやすく解説!法律のポイントを簡単理解