
償却資産と経費とは?基本の違いをチェックしよう
ビジネスをしていると、よく耳にする言葉に「償却資産」と「経費」があります。どちらも会社の支出に関わる用語ですが、実はその意味や使い方は大きく違うんです。
まず、償却資産とは、長期間使うことができる設備や機械、建物などのことを指します。たとえば、パソコンやコピー機、大型の家具などがこれにあたります。これらの資産は購入した年に全部の支出をいっぺんに費用として計上するわけではなく、耐用年数にわたって少しずつ費用化していくのです。これを「償却」と言います。
一方、経費は日々の営業活動に使うお金のことで、例えば社員の給料や電気代、文房具の購入費など、すぐに使い切ってしまう支出が該当します。つまり、経費は支払ったその年に全額を費用として計上できるものです。
このように、償却資産は長く使う物に関する費用処理で、経費は日常の活動でかかる費用を指すことがポイントです。
償却資産と経費の違いを理解するためのポイント3つ
ここでは、償却資産と経費の違いをもっとわかりやすく3つのポイントにまとめました。
- 費用化のタイミングの違い
経費はその支出があった年に全額費用扱い。償却資産は購入した金額を数年に分けて費用化。 - 対象となるものの違い
経費は消耗品やサービス代、償却資産は長期間使う設備や機械などの固定資産。 - 税務上の扱いの違い
経費は支払った年の損益計算に影響。償却資産は毎年の減価償却費として計上され、税金の計算に影響。
下の表は、これらの違いをまとめたものです。参考にしてみてください。
項目 | 償却資産 | 経費 |
---|---|---|
対象 | 長期間使う設備や機械 | 日常的・短期間の支出 |
費用計上のタイミング | 耐用年数に分割して費用化 | 支出した年に全額費用化 |
税務上の扱い | 減価償却費として計上 | その年の費用として計上 |
例 | コピー機、パソコン、大型家具 | 電気代、社員給与、文房具 |
なぜ償却資産は分割して費用化するのか?理由とメリットを説明
では、なぜ償却資産は支払った年に一括で費用にせず、数年に分けて費用化するのでしょうか?
それは、資産の価値を正しく会計や税務で表現するためです。例えばパソコンを30万円で買った場合、そのパソコンは3~5年は使えますよね。もし全額を買った年に計上してしまうと、その年だけ費用が大きくなり、他の年との比較が難しくなります。
耐用年数にわたってその費用を分散して計上することで、ビジネスの経営成績や利益がより正確にわかるのです。また、税務上も毎年の利益に見合った税金を納めることができるというメリットがあります。
つまり、償却資産の費用計上方法は、事業の利益や税金の計算を公平にするための工夫なのです。
これを理解することで、経費との違いもはっきりと理解でき、税務処理でミスを減らせます。
償却資産の中でも、パソコンなどのIT機器は特に耐用年数が短く設定されています。そんな理由から、最新の技術進歩が早い分野では、償却資産の費用化は比較的早く行われます。
たとえば、新しいパソコンを買っても3〜4年で買い替えることが多いですよね。税法もそれを反映しているため、IT機器の償却は短めです。これに対して、建物などはもっと長い耐用年数が設定され、数十年かけて少しずつ費用化されます。
なので、償却資産の扱いは業種や使うものによって大きく変わる点が面白いんです。
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