
売却損と評価損って何?
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株や不動産、商品などを扱っていると、「売却損」や「評価損」という言葉をよく聞きますよね。
でも、この2つの言葉は何が違うのか、よくわからないという人も多いでしょう。
売却損も評価損も、どちらも「損失」つまりお金が減ってしまうことを意味していますが、大きな違いは『実際に売って損をしたか』どうかです。
これからわかりやすく説明していきますね。
売却損とは?
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売却損とは、持っている株や不動産などを実際に売ったときに、買った時よりも安い価格で売ってしまい、生じる損失のことです。
例えば、1万円で買った株を8,000円で売った場合、売却損は2,000円になります。
この売却損のポイントは「取引が完了している」こと。
売るまでは単なる価格の変動ですが、売った時点で確実に損が確定するため、実際にお金が減ったことになります。
会社や個人の会計でも、損益計算書に売却損は明確に記録されるため、「実際に損した」と認識されやすいです。
評価損とは?
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一方、評価損とは、持っている資産の価値が下がったけれど、まだ売っていない段階での損失のことです。
例えば、1万円で買った株の値段が市場で8,000円に下がったとします。
この下がった額、つまり2,000円分の損失が評価損です。
しかし、実際に売っていないため、まだお金が減ったわけではありません。価格が戻る可能性も残っています。
評価損は資産の時価を見積もるために使われることが多く、財務諸表には価値の変動を反映するために計上されますが、損失が確定しているわけではないのです。
売却損と評価損の違いを表で比較!
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項目 | 売却損 | 評価損 | <
---|---|---|
損失確定のタイミング | 実際に売却した時点で確定 | 売っていないため未確定 | <
お金の動き | 実際にお金が減る | まだお金は減っていない | <
会計上の扱い | 損益計算書で実損として計上 | 資産の価値低下として貸借対照表に反映 | <
将来的な価格回復の可能性 | 売ったため影響なし | 価格が戻れば損失が消える可能性あり | <
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まとめ
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このように、売却損は実際に資産を売って経験する損失であり、評価損はまだ売らずに資産の価値が下がっているだけの状態です。
どちらも損失ですが、意味や会計での扱いが大きく異なるため、理解しておくことが大切です。
たとえば、株や不動産、商品などの資産を持っているときは、評価損に気をつけつつ、売却損が出ないように売るタイミングを考えることが重要ですね。
今回の説明で売却損と評価損の違いが少しでもわかってもらえたらうれしいです。
損の意味を正しく知って、賢く資産管理をしていきましょう!
評価損の面白い点は、実際に売却していないのに損失とみなされることです。
これは資産の“時価”が変わるからで、たとえ値段が一時的に下がっても、いつか戻るかもしれません。
企業はこうした評価損で資産価値を正確に示すことで、現状をリアルに伝えます。でも逆に言うと、評価損は“まだ確定していない損失”なので、資産を手放すかどうかの判断材料にもなりますね。
つまり、評価損は損失の可能性を知らせてくれる便利な指標だけど、実は損したとは限らない。こういう微妙なニュアンスが会計の面白さでもあります。
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