
データウェアハウスとリレーショナルデータベースとは?
まず最初に、データウェアハウス(DWH)とリレーショナルデータベース(RDB)が何かを簡単に説明します。
リレーショナルデータベースは、日々の様々な業務で使われるデータを整理して格納するためのシステムです。例えば、オンラインショップの注文情報や、お店の在庫データなどがここに保存されます。表(テーブル)でデータを管理し、すばやくデータの追加や検索ができるようになっています。
一方、データウェアハウスは、会社全体の多数のリレーショナルデータベースから重要な情報を集めて、分析や報告に特化した大きなデータの倉庫のようなものです。過去の膨大なデータを保存し、売上の傾向やお客様の行動パターンを見つけるために使います。リアルタイムの処理よりも、複雑な分析に向いています。
このように、両者は目的や使い方が少し違います。
リレーショナルデータベースの特徴と使い道
リレーショナルデータベースは、データの追加・更新・削除を効率よく行うことが目的のシステムです。例えば、学校の生徒名簿、銀行の口座管理、レストランの予約システムなどに活用されます。
特徴としては次のようなものがあります。
- データをテーブル(表)で管理している
・名前や住所、商品番号などをきちんと整理できる - リアルタイムでデータの更新ができる
・注文が入るたび新しい情報をすぐ反映 - 重複や矛盾を防ぐための仕組み(正規化)がある
こうした仕組みで、正確なデータを常に使えるようにしています。
普段の仕事やサービスで日々変わる情報の管理に最適なシステムです。
データウェアハウスの特徴と使い道
データウェアハウスは、複数のリレーショナルデータベースの情報をまとめて、分析や経営判断を支援するために使われます。
主な特徴は以下の通りです。
- 過去の大量のデータを保存している
・何年も前の売上データやお客様情報も蓄積 - データの更新はあまり頻繁ではない
・定期的にまとめてデータを取り込む(ETL処理) - 分析しやすい形に整理されている
・売上の期間集計や商品別の統計などがすぐ出せる
データをたくさんためて、ビジネスの動きや傾向を見極めるのに役立っています。
経営者やマーケティング担当者が長期的な視点で決定を行うときに使われることが多いです。
データウェアハウスとリレーショナルデータベースの違いを表で比較
ポイント | リレーショナルデータベース | データウェアハウス |
---|---|---|
目的 | 日々の業務データの管理と処理 | 多様なデータの統合と分析 |
データ更新 | 頻繁(リアルタイム性重視) | 定期的(バッチ処理が多い) |
データ量 | 比較的小規模〜中規模 | 大量の過去データを蓄積 |
設計 | 正規化重視(重複排除) | 分析用に最適化(正規化は緩めの場合も) |
ユーザー | 現場の担当者やオペレーター | 経営者や分析担当者 |
まとめ
データウェアハウスとリレーショナルデータベースは、役割が大きく違います。リレーショナルデータベースは業務の基盤となるデータを素早く正確に扱うのに適しており、データウェアハウスは大量の過去データを使ってビジネスの全体像を分析するためのものです。
この違いを理解すると、ITシステムやデータ分析の話がもっと分かりやすくなります。
どちらも現代のビジネスに欠かせない技術として、うまく使い分けられています。
ぜひこの機会に違いを覚えてみてくださいね。
データウェアハウス(DWH)は大量の情報をまとめて保存し、経営判断のために使われますが、実は"ETL"という作業が重要です。ETLとは「Extract(抽出)」「Transform(変換)」「Load(読み込み)」のことで、複数のデータベースからデータを集めて整え、DWHに取り込むプロセスです。毎日コツコツデータをまとめて分析しやすくする、この地道な作業がビジネスの成功を支えています。