
多態性と継承の基本とは?
プログラミングを学ぶと必ず出てくる言葉に「多態性」と「継承」があります。どちらもオブジェクト指向プログラミングの重要な考え方ですが、名前は似ていても意味や使い方は違います。
まずはそれぞれの意味を簡単に説明しましょう。
継承とは、あるクラス(設計図)が持っている特徴や機能を別のクラスが引き継ぐことです。例えば「動物」というクラスがあって、その特徴や動きを「犬」や「猫」というクラスが引き継ぐイメージです。
一方、多態性は、同じ操作やメソッドでも中身の動きが違う仕組みです。例えば「動く」という命令を「犬」に出したら犬は走り、「魚」に出したら泳ぐ、といった具合です。
つまり継承は機能を引き継ぐこと、多態性は同じやり方でも違う動きをすることだと覚えておきましょう。
継承の仕組みと使い方
継承はプログラムのコードを効率よく書くためにとても役立ちます。
例えば先ほどの「動物」というクラスが年齢や名前、動く方法を持っていたとします。
犬や猫のクラスに同じコードを書き直す必要はなく、一度「動物」クラスに書いておけば、継承で引き継がれます。
これによりコードが重複せず、バグが減るだけでなくプログラムの改良や追加も簡単になります。
継承のポイントは
- 親クラス(基底クラス)を作る
- 子クラス(派生クラス)が親クラスの特徴を受け継ぐ
- 子クラスで特徴や動作を追加・変更できる
の3つです。
継承を上手に使うと、プログラムが読みやすく管理も楽になります。
多態性の仕組みとメリット
多態性の一番わかりやすい例は、同じメソッド名で異なる振る舞いを作り出すことです。
例えば「鳴く」というメソッドがあったとして、犬は「ワンワン」、猫は「ニャー」と鳴くように中身が変わります。
これにより、利用者はクラスの違いを気にせず同じ命令を使えるというメリットがあります。
プログラム内部では
- 親クラスにメソッドの型を定義
- 子クラスで具体的な動きを決める(メソッドのオーバーライド)
という流れが一般的です。
多態性を使うことで、プログラムは拡張しやすく、メンテナンスもしやすい構造になります。
継承と多態性の違いを表で整理!
ポイント | 継承 | 多態性 |
---|---|---|
意味 | 親クラスの性質や機能を子クラスが引き継ぐ仕組み | 同じ操作でも実際の動きが違う仕組み(オーバーライドによる動作の違い) |
役割 | コードの再利用・構造の整理 | 柔軟で拡張性の高い挙動の実現 |
使い方 | 子クラスを作って親クラスを継承する | 親クラスのメソッドを子クラスで置き換える(オーバーライド) |
メリット | コードの重複を減らし、管理が簡単に | 同じ命令で異なる動作が可能になり使いやすい |
このように両者は似ているけど目的と役割が違うのがポイントです。
多態性の面白いところは、プログラムの中で「同じ名前のメソッド」が実は違う動きをしているという点にあります。友達同士で同じ言葉を使っても意味が違うことがありますよね?プログラムの多態性もまさにそれに似ています。例えば、動物クラスの『鳴く』メソッドは犬なら“ワンワン”、猫なら“ニャー”と鳴き方が違う。これは“オーバーライド”と呼ばれる仕組みで、コードの使い回しだけど個別の特徴を出せるスグレモノなんです。多態性があるからこそ、プログラムはより人間らしい柔軟な動きを実現できるんですよ。