
SIEMとログ管理の基本的な違いとは?
まずは、SIEM(セキュリティ情報・イベント管理)とログ管理の違いを理解することが大切です。
ログ管理とは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアが記録する「ログ」と呼ばれる情報を集めて保管したり、必要に応じて検索したりする作業のことです。主な目的はトラブルシューティングや業務監査に活用することです。
一方、SIEMはログ管理の機能に加えて、集められたログデータをリアルタイムで分析し、セキュリティ上の脅威を検出・警告する高度なシステムです。簡単に言うと、SIEMは単なるログの保存だけでなく、セキュリティの観点から「攻撃の兆候」を探し出し、対応策を提案する仕組みだと理解してください。
このように、ログ管理は情報の記録と保管が中心、SIEMはログ情報の解析と脅威検出までを含む点が大きな違いとなります。
SIEMとログ管理の機能比較と役割
次に、SIEMとログ管理の機能や役割を比較してみましょう。
基本的にログ管理は以下の役割を持っています。
- ログの収集
- 保存・保管
- ログ検索・参照
- 特定のイベントの確認
これに対してSIEMは、ログ管理の上記機能に加えて、以下のような高度な処理を行います。
- 多様なログのリアルタイム集約
- 相関分析(複数のログをつなげて異常を検知)
- 脅威検出やセキュリティインシデントの警告
- コンプライアンス対応支援
- 自動化された対応アクションの提案
要するに、ログ管理は情報の記録と参照がメインで、SIEMはより積極的にセキュリティの脅威を分析・対応する役割を担っています。
このため企業のセキュリティ対策では、SIEMがますます重要視される傾向にあります。
SIEMとログ管理の違いをわかりやすくまとめた表
最後に、SIEMとログ管理の違いを以下の表でわかりやすく比較します。
項目 | ログ管理 | SIEM |
---|---|---|
主な目的 | ログの保存と参照、トラブル対応 | ログ解析による脅威検出とリアルタイム対応 |
分析機能 | 基本的な検索やフィルタリング | ログ相関分析や異常検知に強い |
対応の自動化 | なしまたは限定的 | アラート生成や自動対応の提案 |
対象範囲 | 一部機器やシステムログ中心 | 多様なシステムやネットワークの統合監視 |
導入コスト | 比較的低い | 高め、専門知識が必要 |
この表を参考に、自社のセキュリティニーズに応じてログ管理だけで十分か、それともSIEMの導入を検討すべきか判断してください。
ピックアップ解説
SIEMという言葉を聞くと難しく感じるかもしれませんが、実はシンプルに言うと「いっぱい集めたログを賢く読む仕組み」と考えるとわかりやすいです。ログ管理はただ記録しているだけなので、問題が起きてから探すイメージ。SIEMはログ同士の関係を調べて、怪しい動きを早く見つけて教えてくれます。つまりセキュリティの見張り番ですね!
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