
グループホームと特養の基本的な違い
高齢者や介護が必要な方にとって、安心して暮らせる介護施設は重要です。
その中でも「グループホーム」と「特養(特別養護老人ホーム)」はよく耳にする言葉ですが、それぞれどんな違いがあるのかわからない方も多いでしょう。
ここでは、まず両者の基本的な概要と役割の違いについてわかりやすく解説します。
グループホームとは、認知症のある高齢者が少人数で共同生活を送りながら介護を受ける住まいです。家庭的な雰囲気の中で、利用者一人ひとりの自立支援を目指すのが特徴です。
一方特養は、介護度が比較的重くて常に介護が必要な高齢者が入所できる公的な長期入所施設です。大人数で生活し、食事や入浴など日常生活のすべてをサポートしてもらえます。
このように、グループホームは認知症支援中心の少人数施設、特養は重度介護者向けの大規模施設という違いがあります。
利用対象者と利用条件の違いを比較
次に、利用できる方や条件にどんな違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。
グループホームの利用対象者は認知症のある要介護者に限られています。多くの場合、3~5人の少人数で家庭的な環境を作るため、認知症ケアの専門スタッフが支援します。
利用者はある程度の生活自立度が求められ、日常生活の活動(食事や掃除、買い物など)に参加しながら自立支援を受けることが大切です。
一方、特養は要介護3以上で、介護度が高い高齢者が対象です。日常生活のほぼすべてにサポートが必要な方が入所し、医療的ケアや総合的な介護サービスが提供されます。
利用条件や申し込み方法も自治体によって違うことがありますが、一般的には特養の方が重度の方が多く入所できます。
費用とサービス内容の違い
実際に利用する際に気になるのが費用と、受けられるサービス内容の違いです。
まず費用について、グループホームは住宅型介護施設としての費用がかかり、月額利用料はおおよそ10万円~20万円程度が一般的です。食費や光熱費も別途必要です。
特養は公的施設のため費用は所得や資産に応じて負担が決まりますが、月額利用料は比較的リーズナブルに設定されていることが多いです。ただし、空きが少なく入所待ちが発生しやすいのが現状です。
サービス内容の違いも大きく、グループホームでは少人数で認知症ケアを中心に、生活リハビリや散歩、調理や掃除の参加も重視されています。
特養は多人数を対象に24時間の介護看護体制が整っており、入浴や食事、排泄などの身体介助を中心としています。医療機関との連携も強いので、医療ケアが必要な方には安心です。
まとめ:自分に合った介護施設の選び方
ここまで、グループホームと特養の違いについて
・施設の特徴
・利用対象や条件
・費用・サービスの違い
をまとめて説明しました。
わかりやすく比較すると下記の通りです。
項目 | グループホーム | 特養(特別養護老人ホーム) |
---|---|---|
対象者 | 認知症がある要介護者 (軽・中度中心) | 要介護3以上の重度介護者 |
人数 | 少人数(3~5人程度) | 多数(数十人規模) |
生活環境 | 家庭的な共同生活 | 施設での集団生活 |
サービス内容 | 認知症ケア中心、生活支援・リハビリ | 24時間介護・医療ケア中心 |
費用 | やや高め | 比較的安価(公的補助あり) |