
利回りと投資収益率の基本を理解しよう
投資の世界でよく聞く言葉に「利回り」と「投資収益率」があります。どちらも投資の成果を表す言葉ですが、実は意味や計算方法に違いがあります。
まず、利回りとは投資した元本に対して、どれくらいの利益が得られたかを割合で表したものです。たとえば、10万円の投資で1万円の利益があれば、利回りは10%です。この利回りは主に債券や預金、不動産賃貸など安定的な配当や家賃収入がある資産で使われることが多いです。
一方、投資収益率は投資全体の収益を示す指標で、利回りよりも幅広い意味で用いられます。投資収益率は、投資期間中の価格変動や配当、その他の収益を合計し、元本に対する割合を計算します。
大きな違いとしては、利回りは主に「一定期間の安定的な収益の割合」を示し、投資収益率は「価格変動も加味した総合的な収益率」を示す傾向があります。
この違いを押さえることで、投資の成果を正しく判断することができるのです。
利回りと投資収益率の計算方法の違い
では、具体的にそれぞれの計算方法を見ていきましょう。
利回りの計算式
利回りは簡単にいうと、「得られた収益 ÷ 投資金額 × 100」で計算されます。
例:10万円の不動産投資で毎年1万円の家賃収入がある場合
利回り = (1万円 ÷ 10万円) × 100 = 10%
これは単純に投資額に対して得られる利益の割合を示しています。
投資収益率の計算式
投資収益率は、一定期間の投資の総収益を元に計算します。
一般的な式は
投資収益率 = ((最終価値 - 初期投資額) + 得られた収益) ÷ 初期投資額 × 100
例:10万円で株を買い、1年後に12万円に値上がりし、さらに配当が1万円あった場合
投資収益率 = ((12万円 - 10万円) + 1万円) ÷ 10万円 × 100 = 30%
このように、価格の変化も含めて総合的に利益を計算するのが特徴です。
下の表で整理しましょう。
項目 | 利回り | 投資収益率 |
---|---|---|
対象 | 配当・家賃などの安定収入 | 価格変動も含む総合利益 |
計算方法 | 収益 ÷ 投資額 × 100 | ((売却価格 - 投資額)+収益) ÷ 投資額 × 100 |
活用例 | 債券、不動産賃貸預金等 | 株式投資、投資信託全般 |
利回りを語るとき、実は「表面利回り」と「実質利回り」が存在することをご存知ですか?表面利回りは単純に年間収益を投資額で割ったものですが、実質利回りはこれに管理費や税金などのコストも引いた結果です。
例えば不動産投資では、表面利回りだけを見ると良い数字でも、実質利回りで見ると意外と低くなることもあります。投資判断の際にはこの違いをしっかり理解することが大切ですよね。
そんな利回りの細かな違いも知っておくと、投資で思わぬトラブルを避けられるかもしれません。