
bootpとdhcpとは何か?基本から知ろう
まずは、bootp(ブートピー)とdhcp(ディーエイチシーピー)という言葉の意味を確認しましょう。
どちらもコンピューターやネットワーク機器が起動するときにIPアドレスを自動的に取得するための仕組みです。
IPアドレスとは、インターネットや社内ネットワークで機器を識別するための住所のようなもの。
この住所がないと、機器同士で情報をやり取りできません。
bootpは1980年代から使われてきた古い技術で、主に固定のIPアドレスを割り当てるために使われていました。
一方、dhcpはbootpを元に改良され、現在でも多くのネットワークで利用されている最新技術です。
違いを知るには、それぞれの特徴や仕組みを詳しく理解することが大切です。
bootpとdhcpの主な違い
bootpとdhcpは似ている部分も多いですが、いくつかのポイントで明確な違いがあります。
例えば、IPアドレスの割り当て方やサービスの柔軟性が異なります。
下の表で比較してみましょう。
bootpは主に単純で固定的なIP割り当てに使われているのに対し、dhcpは自動でIPアドレスを動的に管理でき、効率よくネットワークを運用できます。
また、dhcpはIPアドレスのリース期間を設定できるため、一定時間が過ぎたら別の機器にIPアドレスを割り当て直すことも可能です。
この仕組みにより、ネットワークで使われるIPアドレスの無駄遣いを防ぐことができます。
なぜ現在はdhcpが主流なのか?その理由とは
現代のネットワークでは、コンピューターやスマートフォン、プリンターなど様々な機器が接続されています。
これらの機器に簡単かつ自動的にIPアドレスを割り当てる仕組みが必要です。
そこで、bootpの弱点を改善したdhcpが選ばれる理由をご紹介します。
- 動的割り当てによる柔軟性の向上
dhcpはIPアドレスを一時的に貸し出すリース機能があり、多数の機器が順番にIPアドレスを利用できます。
これにより、IPアドレス不足を防げます。 - 詳細な設定が可能
dhcpサーバーはIPアドレスの他に、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイ、DNSサーバーの情報など複数のネットワーク情報を自動で配布できます。 - 管理の簡略化
ネットワーク管理者が手動で機器ごとにIPアドレス設定を行う必要がなくなり、作業負担が減ります。 - 新しいネットワーク技術への対応
IPv6対応や多様な設定オプションにより、将来的にも使い続けやすい技術です。
以上の理由から、現代のネットワークではほとんどdhcpが使われています。
昔ながらの機器が存在する場合はbootpが使われることもありますが、これからネットワークを学ぶ人はdhcpの知識を優先的に身につけることをおすすめします。
今回は「リース期間」について少し深掘りしてみましょう。dhcpのリース期間とは、IPアドレスを機器に貸し出す期間のことです。例えばリース期間が24時間の場合、24時間たつとそのIPアドレスは返却され、新たに必要な機器が利用できます。これにより、たくさんの機器が限られたIPアドレスを効率的に共有できるんです。面白いのは、リース期間が短すぎると頻繁にIPアドレスが変わり、通信に少し影響が出る場合もあること。逆に長すぎるとアドレスが無駄になってしまいます。だから、ネットワーク管理では最適なリース期間を設定することが重要なんですよ。