
Modbusとは何か?基礎から理解しよう
Modbusは、工業用機器間でデータをやり取りするための通信規格の一つで、1979年に開発されました。主にPLC(プログラマブルロジックコントローラ)やセンサーなどのデバイスを接続するために使われています。この規格はシンプルな構造を持ち、信号の送受信が効率的なため、多くの工場システムで採用されています。
Modbusにはいくつかの種類があり、RS-232やRS-485のようなシリアル通信を使う「Modbus RTU」や、ネットワーク通信に対応した「Modbus TCP/IP」などがあります。特にModbus RTUは低コストでシンプルですが、通信距離や速度に制限があります。
簡単に言うと、Modbusは機器同士が言葉を決めて話すルールの一つで、装置の状態を読み取ったり制御したりするための手段です。
イーサネットとは?インターネットの基本を押さえよう
イーサネットは、コンピュータや機器をネットワークで接続するための技術・規格の一つです。もともとはケーブルで接続する有線のLAN(ローカルエリアネットワーク)の標準として1970年代に開発されました。
イーサネットはデータをパケットに分けて送るしくみを持ち、大量のネットワーク機器を効率よくつなげる特徴があります。私たちが家や学校、会社で使うインターネット接続も、多くはイーサネットを通じて行われています。
そのためイーサネットは広範囲な機器やコンピュータの通信に適しており、高速で信頼性が高い通信方法とされています。
Modbusとイーサネットは何が違うの?機能と役割の比較
Modbusとイーサネットは一見似ていますが、実は役割や使い方が大きく異なります。
まずModbusは通信プロトコル(機器がデータをやり取りする方法)であり、イーサネットは通信物理層とネットワーク技術の規格です。つまり、Modbusは機器の言葉、イーサネットはその言葉を届ける道路のようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
イーサネットはケーブルやスイッチ、ハブなどの通信基盤の規格であり、Modbusはその上で使われるプロトコルの一つとして利用されることもあります。特にModbus TCP/IPはイーサネットのネットワーク上でModbusのメッセージをやり取りする形です。
下の表で、主な違いをまとめています。
まとめ:どちらを使う?Modbusとイーサネットの選び方
まとめると、Modbusは工場設備など機器間の通信ルールであり、イーサネットはそれら機器をつなげるためのネットワークの基盤規格です。
例えば工場の制御システムでは、PLC同士がModbusという言葉で会話し、イーサネットというネットワークを通じてメッセージを送ります。
したがって、使用目的や環境によって選ぶものが異なり、一概にどちらが良いとは言えません。
基本的には最新システムではイーサネットベースのModbus TCP/IPが多く使われ、速度や通信範囲も広いため利便性が高いです。しかし、低コストやシンプルな通信が求められる場合は、従来のModbus RTUを使うことも多いです。
このように、Modbusとイーサネットは役割が違うため、どちらか一方だけではなく、両方の特徴を理解して上手に活用することが大切です。
Modbusと言うと「なんだか難しい規格」と思うかもしれませんが、実は工場やプラントの中で機械同士が理解し合うための共通言語のようなものです。よくある例えで、Modbusは「機械の会話ルール」で、イーサネットは「その会話を届ける電話回線」と言えます。だから、Modbusにはいくつかの種類があって、昔ながらのシリアル通信を使うものから、現代的にイーサネットを使って会話するものまであります。意外と身近で大切な存在なんですよ。