
評価差額と評価損益とは何か?基本を理解しよう
資産や負債の価値を把握するときに使われる「評価差額」と「評価損益」という言葉、聞いたことはありますか?特に経理や投資の世界でよく出てくる用語です。
評価差額は「元の価値(取得原価や簿価)と現在の価値(時価)の差額」を意味します。つまり、資産や負債が購入したときの値段と今の値段がどれくらい違うかを表しています。
一方、評価損益は、評価差額のうち実際に損益として計上される部分を指しており、会計上の利益や損失として認識される金額です。つまり、評価差額があっても必ず評価損益に反映されるとは限りません。この違いが重要です。
評価差額と評価損益の具体例で理解を深めよう
例えば、100万円で購入した株式があるとします。数年後、その株式の時価が120万円に上昇しました。この場合、
- 評価差額は 120万円 - 100万円 = 20万円の増加
- ですが、この20万円を売るまでは実際の利益(評価損益)にはなりません。
もし株を売却し、利益を確定した場合、この20万円は評価損益として計上されます。逆に、評価差額がマイナスの場合も同様で、
- 時価が80万円に下がったら、評価差額は -20万円
- まだ売却していなければ損益は計上されず、売ってはじめて損失として計上されることが多いです。
このように、評価差額はあくまで価値の「差」を示すだけで、評価損益は実際に会計処理上で利益や損失として表れる金額なのです。
評価差額と評価損益の違いをまとめた表
違いを見やすくまとめると、以下のようになります。
項目 | 評価差額 | 評価損益 |
---|---|---|
意味 | 取得原価と時価の差額 | 会計上で認識した利益または損失 |
計上時期 | 値動きごとに変動 | 売却や決算時に確定 |
会計上の扱い | 評価替えのための比較指標 | 財務諸表に反映される損益 |
例 | 株の時価評価増減 | 売却により確定した利益や損失 |
このように、両者は関連していますが異なる概念なので混同しないようにしましょう。
評価差額と評価損益の重要性と日常への影響
会社や投資において評価差額と評価損益を正しく理解することはとても大切です。
なぜなら、投資先や財産の価値の見え方が変わるだけでなく、決算書の利益にも影響を与えるからです。投資家や経営者はこの違いを理解して、実質的な収益状況やリスクを適切に判断しなければなりません。
また、個人の資産管理の面でも、「含み益(評価差額)」があるからといって安易に喜ぶのではなく、それがまだ確定していない利益であることを意識して計画的に動く必要があります。
まとめると、
・評価差額は価値の変動を示す
・評価損益は実際の損益として記録される
この違いを理解すると、資産や利益の状況がより正確にわかるようになります。
「評価損益」という言葉は、実は非常に奥が深いんです。評価損益は単純に儲かったか損したかだけを表すわけではなく、会社の財務状況をリアルタイムに映し出す“鏡”のような役割も担っています。
例えば、評価損益は売買が完了しない限り損益が確定しません。この状態を「含み損益」と呼びます。投資家は含み損益を見て将来の利益を予測したり、リスクを計算したりしています。だから、評価損益は日々の価格変動だけでなく、企業の戦略決定や株主への説明にも大きく関わってくるんですよ。
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