
厚生年金と国民年金の基本の違いとは?
日本の年金制度には大きく分けて厚生年金と国民年金の2種類があります。覚えやすく言うと、厚生年金は会社員や公務員が対象で、国民年金は自営業者や学生、フリーターなどが対象です。
これらは誰が対象かだけでなく、支払う保険料の計算方法や受け取る年金の仕組みも違います。
まずは基本的な違いを見ていきましょう。
国民年金は日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する基礎年金です。保険料は毎月一定で、令和6年度の金額は16,610円(2024年6月現在)となっています。
一方で厚生年金は、会社で働く人たちが強制的に加入し、給料に応じて保険料が決まる仕組みです。
会社と本人が保険料を半分ずつ負担するため、本人の負担は国民年金より多くなりますが、将来もらえる年金額もその分増えます。
厚生年金と国民年金の支払いと受け取りの違いについて
厚生年金の保険料は給料や賞与に対して一定の割合で計算され、会社が半分、本人が半分を支払います。
そのため、給料が高いほど厚生年金の月々の保険料も高くなります。
国民年金は一律の保険料を毎月納めます。家計が安定しない人でも同じ額を負担するため、その点では公平とも言えます。
年金を受け取る時も違いがあります。
国民年金は基礎年金なので、老後に一律の金額が支給されます。
厚生年金はこの基礎年金に加えて、働いていた期間や給料の水準によって年金額が加算される仕組みです。
そのため、一般的には厚生年金加入者のほうが多くの年金をもらえます。
厚生年金と国民年金を比べやすくするための表
ここで厚生年金と国民年金の違いを分かりやすくまとめた表を見てみましょう。
項目 | 厚生年金 | 国民年金 |
---|---|---|
対象者 | 会社員・公務員 | 自営業者・学生・フリーター・無職など |
保険料の計算 | 給料に対する一定割合(会社と本人で半分ずつ負担) | 定額(2024年6月は月16,610円) |
受給額 | 基礎年金+報酬比例部分(給料に応じて増える) | 基礎年金のみ(一定額) |
加入期間 | 会社勤務期間中 | 20歳~60歳の全期間 |
どうしてこんなに違いがあるの?年金制度の仕組みを知ろう
厚生年金と国民年金の違いは、年金制度の仕組みそのものに由来しています。
国民年金は、誰でも老後の生活ができるように必要最低限の収入を保障する目的です。
一方で厚生年金は、会社員や公務員など安定した収入がある人向けの制度で、収入が多いほど将来の年金も多くなる仕組みになっています。
これは働いた分だけ報われる社会を目指すためです。
日本の年金制度は多くの人が支え合う仕組みなので、厚生年金の保険料の一部は国民年金にも回ることになっています。
つまり、両方の年金は密接に関係しているのです。
厚生年金の保険料は給料に比例しているため、高い収入の人ほど多く払いますが、その分将来もらえる年金も多いという仕組みがあります。面白いのは、会社と本人が半分ずつ負担するので、思ったほど自己負担が重く感じない人も多いことです。中学生の皆さんも、働き始めるとこのように給料から少しずつ将来のために国や会社にお金を払っているんだな、とイメージするとわかりやすいでしょう。
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