
マネタリーベースとは何か?
経済やお金の話をするときによく出てくる言葉に「マネタリーベース」があります。これは簡単に言うと、中央銀行が市場に「直接」出しているお金のことです。具体的には、現金(紙幣や硬貨)と、銀行が中央銀行に預けている預金の合計を指します。
このマネタリーベースは、経済全体のお金の量の基礎となるものとしてとても重要です。例えば、中央銀行が新しいお金を作ってマネタリーベースを増やすと、市場に流れるお金が増えて経済を活性化させる効果が期待されます。逆に減らすと、お金が少なくなり、経済が落ち着くこともあります。
つまり、マネタリーベースは国の中央銀行がコントロールする、経済の土台となるお金の量ということができます。
マネーストックとは?
次に、マネーストックについて説明します。こちらも経済用語ですが、マネーストックは私たち一般の人や会社、銀行などが持っているすべてのお金の合計を指します。
例えば、現金、銀行の預金、定期預金などが含まれます。つまり、経済の中で実際に使えるお金の総量です。
マネーストックは、経済活動の大きさや活発さを見るための大事な指標になります。例えば、マネーストックが多いと、人々がお金をたくさん持っていて使いやすい状態と言えます。
別の言い方をすると、マネーストックは市場に流通している、企業や個人が持つお金の総量ということができます。
マネタリーベースとマネーストックの具体的な違い
ここで、マネタリーベースとマネーストックの違いについてわかりやすくまとめます。
両者の違いは以下のポイントに集約されます。
ポイント | マネタリーベース | マネーストック |
---|---|---|
定義 | 中央銀行が直接供給しているお金の量(現金+銀行の中央銀行預金) | 経済全体で流通するお金の総量(現金+預金など) |
コントロール | 中央銀行が直接調整できる | 民間銀行や企業、個人の動きで増減する |
範囲 | ごく限られた部分 | 経済全体の広い範囲 |
役割 | 金融政策の土台 | 経済活動の指標 |
つまり、マネタリーベースは経済のお金の核となる部分であり、マネーストックはそのお金が銀行などを通じて何倍にも増えて、市場に流れているお金全体のことなのです。
この違いを理解することで、ニュースでよく見る「日本銀行がマネタリーベースを増やす」という意味や、景気動向とマネーストックの関係も見えてきます。
今回は「マネーストック」について少し深掘りしましょう。マネーストックは私たちの財布や銀行口座にあるお金だけでなく、銀行が貸し出したお金も含めて計算されます。つまり、銀行が誰かにお金を貸すと、その分マネーストックは増えるのです。これはお金が実際に増えたわけではなく、貸出を通じてお金の流れが活発になったことを示しています。このしくみを『信用創造』と言い、経済活動を支える大切な働きなんですよ。知っていると少し経済のニュースも面白くなりますね!
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