
児童扶養手当と子ども手当の基本的な違い
日本における子育て支援の制度として、よく耳にするのが児童扶養手当と子ども手当です。どちらも子どもを育てる家庭を支援するための制度ですが、対象や目的、支給額などに違いがあります。
まず、児童扶養手当は、主に離婚や死別などでひとり親家庭を支援するための手当です。経済的に困難な状況にある母子家庭や父子家庭へ給付されます。
一方、子ども手当(現在は児童手当と呼ばれています)は、すべての子育て家庭を対象とした手当で、子どもの成長を支援する目的で支給されます。
この2つの制度は単なる名称の違いだけでなく、対象者、支給目的、金額などが大きく異なっています。以下に詳しく解説します。
支給対象と手当の目的の違い
支給対象については次のようになります。
児童扶養手当:離婚や死別などで母子家庭や父子家庭となった家庭のひとり親とその子どもが対象です。申請制で、所得制限があります。
児童手当(旧子ども手当):0歳から中学卒業までの子どもがいる家庭が対象で、すべての子育て家庭が含まれます。所得制限はありますが、より広範囲の家庭が対象です。
目的については、児童扶養手当はひとり親家庭の経済的自立を助けるために設けられています。一方、児童手当は一般的な子育て支援として、子どもの健やかな成長を促すことが目的です。
支給金額と申請方法の違い
支給金額は児童扶養手当のほうが高額です。これは特に困っているひとり親家庭を重点的に支援するためです。
【児童扶養手当の目安】
第1子:約42,000円/月
第2子以降:加算があり最大約25,000円プラス(所得により変動)
【児童手当の目安】
0〜3歳未満:15,000円/月
3歳〜小学校卒業まで:10,000円/月(第3子以降は15,000円/月)
中学生:10,000円/月
どちらの手当も所得制限がありますが、手続きは自治体による申請が必要です。
また、児童扶養手当はひとり親家庭であることの証明が必要で、子ども手当は、児童の健康保険証などで子どもの存在を確認します。
項目 | 児童扶養手当 | 児童手当(旧子ども手当) |
---|---|---|
支給対象 | ひとり親家庭の子ども | 0歳~中学生までの子どもがいる家庭 |
支給目的 | ひとり親家庭の経済的支援 | すべての子育て家庭の支援 |
支給金額(目安) | 約42,000円(月)+加算 | 10,000~15,000円(月) |
申請方法 | 自治体に申請 | 自治体に申請 |
児童扶養手当と児童手当の違いを知ることで得られるメリット
この2つの手当の違いを理解すると、自分の家庭に合った支援を正しく受けることができます。
ひとり親の方は児童扶養手当の適用可否の確認や、所得制限内であれば積極的に申請することで、家計を助けることができます。
また、ひとり親でない方でも児童手当が受けられるため、家計管理や教育費の見通しを立てやすくなります。
さらに、制度の違いを知ることで、自治体の窓口で適切な相談ができるようになるので、必要なときにスムーズなサポートが受けられます。
このように、児童扶養手当と児童手当の違いをしっかり理解し、活用することが大切です。
児童扶養手当の意外なポイントは、離婚や死別だけではなく、親の事故や犯罪被害などで親権を持つ場合にも支給対象になる点です。つまり、様々な事情でひとり親家庭となった場合に経済的な助けになるので、知らないと受けられないことがあります。母子・父子家庭のための大切な制度ですが、申請しないと支給されませんので、該当しそうな人は早めに役所に相談すると良いですね。