
取得価額と帳簿価額の基本的な意味とは?
まずは取得価額と帳簿価額という言葉の意味についてわかりやすく説明していきます。
取得価額とは、
・企業や個人が資産を購入した際に支払った金額を指します。
・購入価格だけでなく、購入に直接かかった費用も含まれます。たとえば、運送料や設置費用なども取得価額に含まれることがあります。
・つまり、資産を手に入れるために必要だった総額と考えてください。
一方帳簿価額は、
・会社の会計帳簿に記録されている資産の価値のこと。
・時間の経過や使用によって価値が減る場合(減価償却)があるため、取得価額から減価償却費などを差し引いた金額になります。
・つまり、現在の資産の価値を反映した金額です。
このように取得価額は資産を取得した時のコストで、帳簿価額はその後の価値変動を反映した数字という点がまず大きな違いです。
取得価額と帳簿価額の違いを具体的に表で比較!
項目 | 取得価額 | 帳簿価額 |
---|---|---|
意味 | 資産を購入した時の購入価格と付随費用の合計 | 取得価額から減価償却費を差し引いた現在の資産価値 |
計算方法 | 購入価格+購入にかかった費用(運送料、設置費など) | 取得価額−減価償却累計額 |
変動 | 通常固定(購入時の金額) | 時間とともに減少(減価償却がある場合) |
使い方 | 資産を取得した際の原価計算に使用 | 資産の帳簿上の価値として財務諸表に表示 |
なぜ違いがあるのか?減価償却の仕組みを知ろう!
取得価額と帳簿価額がなぜ違うかというと、資産の価値は時間の経過によって変わるからです。
減価償却とは、資産を長期間使うことで価値が減る分を会計上で少しずつ費用として計上していくことです。
たとえば、会社が100万円でパソコンを買ったとします。
この100万円が取得価額ですが、パソコンは数年使うと古くなり、価値も下がります。これを帳簿に反映させるために、たとえば5年で減価償却をするとすると、毎年20万円ずつ費用に計上していきます。
すると1年後の帳簿価額は100万円ー20万円=80万円となります。
こうして、取得価額は最初にかかった費用、帳簿価額は今の価値を示すため、この2つに違いが生まれるのです。
この仕組みがあることで、会社の財務状況がより実際の状態に近くなるため、重要な会計ルールとなっています。
ところで「減価償却」って言葉、聞いたことありますか?これは取得価額と帳簿価額の違いを理解するうえでとても大事なポイントなんです。
減価償却とは、大きな物を買ったときに、その価値が時間とともに少しずつ減っていくことを、会計上できちんと記録する方法のこと。
たとえばゲーム機を買ったとします。それは買ったときは新品で価値が高いけど、だんだん古くなり価値が下がりますよね。これは会計でも同じなんです。
だから、取得価額(買ったときのお金)と帳簿価額(今の価値)は違う数字になるんですよ。面白いですよね!
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