
帳簿価格と帳簿価額の基礎知識
会計や経理の仕事に関わると、「帳簿価格」と「帳簿価額」という言葉によく出会います。しかし、この2つの言葉は似ていて混乱しやすいですよね。
まずは、帳簿価格とは何か?について説明しましょう。帳簿価格は、企業が資産や商品の購入時に記録した元の価格のことです。つまり、実際に支払った金額や取得にかかった費用が帳簿に記入された値になります。
一方、帳簿価額とは、帳簿上に表示されている価格のことで、必ずしも購入時の価格と同じではありません。資産は時間がたつと価値が変わるので、減価償却や評価替えなどの会計処理を経て、帳簿価額は更新されます。
このように、帳簿価格は原則として購入時の金額を示し、帳簿価額は会計処理によって変動した価値を示しています。
具体例で理解する帳簿価格と帳簿価額の違い
例えば、ある企業がパソコンを10万円で購入したとします。この10万円が帳簿価格です。しかし、パソコンは使ううちに古くなり、価値が下がります。
そこで、減価償却という会計ルールに基づき、1年ごとに1万円ずつ価値を下げていくとしましょう。購入から3年経った時、帳簿価額は10万円-(1万円×3年)=7万円になります。
この場合、帳簿価格は購入当時の10万円のまま変わりませんが、帳簿価額は減価償却により変動し、7万円となっています。
この違いが帳簿価格と帳簿価額の本質的な違いなのです。
帳簿価格と帳簿価額の違いをまとめた表
項目 | 帳簿価格 | 帳簿価額 |
---|---|---|
意味 | 購入や取得時の価格 | 減価償却や評価替え後の価値 |
変動 | 原則変わらない | 減価償却などで変わることがある |
使い方 | 購入時に記録する | 会計期間ごとに見直し |
例 | パソコンの購入費用10万円 | 減価償却後の7万円 |
なぜ違いを知ることが大切なのか?
会計や経理の仕事をしていると、正確に数字を理解することが求められます。企業の資産価値や経営成績を正しく評価するには、帳簿価格だけを見ていても十分ではありません。
例えば、固定資産の価値を適切に把握し、減価償却を行わないと、今の資産の実際の価値がわからず、経営判断を誤ってしまいます。
そのため、帳簿価額も把握し、実際の価値に近い数字を追いかけることが重要なのです。
中学生のみなさんも、学校のお小遣いや物の価値が時間とともに変わることを想像しつつ、会計上の違いを理解してみるのも面白いですよね。
「減価償却」という言葉は、会計の中でもちょっと難しいですが、身近にある考え方なんです。例えば、自転車を10万円で買ったとしても、毎年少しずつ古くなり価値が下がりますよね。減価償却はそれを数字で表し帳簿上で価値を減らしていく方法なんです。意外と生活の中の物の価値変化を会計で表したものと考えると親しみが湧くかもしれません。
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