
リース資産と賃借料とは何か?基本の理解
リース資産と賃借料は、似ているようで実は異なるものです。まずはそれぞれの意味を知ることが重要です。
リース資産とは、リース契約によって使うことができる資産のことを指します。つまり、企業などがリース会社から設備や機器を借りて使う場合、その設備や機器自体がリース資産と呼ばれます。
一方、賃借料は、その資産を借りたことに対する代金や料金のことを言います。賃貸物件の家賃のように、リース資産を使うために支払うお金が賃借料です。
このように、リース資産は“モノ”、賃借料は“お金”という違いがあるので、まずはこの基本を理解しましょう。
リース資産と賃借料の会計上の扱いの違い
次に、会計の面でリース資産と賃借料がどう違うかについて説明します。企業がリース契約を結ぶと、会計上はこの資産と賃借料を別々に取り扱います。
リース資産は企業の資産として計上され、利用期間に応じて減価償却されます。これにより資産価値が時とともに減っていくことを反映します。
一方、賃借料はリースの期間中に分割して費用として計上されます。つまり、支払った賃借料は利益から引かれていく費用です。
この違いにより、リース資産を持つ場合はバランスシート(貸借対照表)に資産として残り、賃借料は損益計算書に費用として反映されるのです。
リース資産と賃借料の実務上のポイントや注意点
実際のビジネスでリース資産と賃借料の違いを理解しないと、資金の管理や会計処理で困ることがあります。
まず、リース資産の管理では、資産の保守や劣化状況の把握が求められます。リース終了時に返却する必要があり、損傷があると追加請求が発生することもあります。
次に、賃借料の支払い管理では、期日通りの支払いをしないと信用問題に発展しかねません。また、税務上、リースと賃借られるタイプの契約内容で経費計上のルールが変わることがあるため注意が必要です。
これらは経理担当者や経営者が押さえておくべきポイントです。
リース資産と賃借料の違いまとめ表
項目 | リース資産 | 賃借料 |
---|---|---|
意味 | リース契約で使用する資産(物) | リース資産を使うための支払い代金(費用) |
会計処理 | 資産計上・減価償却 | 費用計上(損益計算書に反映) |
管理のポイント | 状態管理や返却時の状態確認 | 支払いの期日や税務処理の確認 |
リース資産と賃借料はこうした違いがあります。両者がどう異なり、どちらをどう管理すべきか理解することが、リース契約をスムーズに利用するコツです。
リース資産の面白いところは、実は“自分がそのものの所有者ではないのに、あたかも自分の資産のように扱う会計処理が必要なこと”です。特にファイナンスリースの場合は、使っている設備を自社の資産として計上して減価償却をするので、実際には借りているだけなのに、資産としての価値や耐用年数を考えて会計処理しなければなりません。これは企業の財務状況を正しく示すためのルールで、ちょっと不思議な感覚かもしれませんが、経営の透明性を高めるために大切なポイントですね。