
認知療法と認知行動療法とは?その基本を理解しよう
まずは認知療法と認知行動療法が何かを理解することが大切です。どちらも心の問題を改善するための心理療法で、特にうつ病や不安障害の治療に有効とされています。
認知療法は、1930年代にアーロン・ベック博士によって開発された方法で、ネガティブな考え方や歪んだ思考パターンを変えることを目的としています。考え方を見直すことで、感情や行動の悪循環を断ち切ろうとするのです。
一方、認知行動療法は認知療法を基に発展した療法で、認知(考え方)だけでなく行動にも焦点をあてる点が特徴です。行動を変えることで、考え方や気分の改善につながることを目指しています。
どちらも、患者さん自身が自分の思考や行動をじっくり見つめ直し、少しずつ変えていく助けとなります。
認知療法と認知行動療法の違いを詳しく比較!表でわかりやすく解説
ここでは認知療法と認知行動療法の違いを、特徴や対象とする問題などのポイントで比較します。
ポイント | 認知療法 | 認知行動療法 |
---|---|---|
主な対象 | うつ病、不安障害など | うつ病、不安障害だけでなくパニック障害や強迫障害なども |
焦点 | 考え方(認知)の歪みを修正 | 考え方(認知)と行動の両方を修正 |
方法 | 否定的な思考を見つけて正しい認知に変える | 課題を設定し、行動の変化も促す |
治療期間 | 短期間から中期間が多い | 多くは短期間だが、問題によっては長引くこともある |
このように認知療法は考え方の修正を主軸にし、認知行動療法は行動の変化も包括的に取り組む点が大きな違いです。
行動の変化を促すことで、患者さんが現実の中で問題に対処しやすくなるため、より実践的な療法とも言えます。
両者の違いを知って、自分に合った療法を選ぶためのポイント
認知療法と認知行動療法はどちらも効果的ですが、自分に合った療法を選ぶにはいくつかのポイントがあります。
まず、現在の自分の状態や症状を医師やカウンセラーと相談することが大切です。
簡単にまとめると、
- 思考の偏りをじっくり見つめて修正したいなら認知療法
- 行動面も含め生活の中で実践的に変えたいなら認知行動療法
また、両方のメリットを組み合わせて使うケースも多いので、あまり神経質にならずに医療者のアドバイスを参考にしましょう。
生活に役立つ心の技術として、自分でできる認知再構成や行動活性化の方法を学ぶこともおすすめです。
理解を深めることで、不安や辛さを軽減し、より明るい未来へつなげる手助けとなります。
ピックアップ解説
認知行動療法(CBT)の面白いところは、ただ考え方を変えるだけでなく、実際の行動も変えることで心の状態を改善しようとする点です。例えば、不安な気持ちを解消するために怖い場所を無理せず少しずつ訪れる練習をします。これは『行動実験』と呼ばれ、頭で考えるだけではなく体験を通じて考え方を変える方法です。意外と日常でも役立つ考え方ですよね!
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