
軽量鉄骨と重量鉄骨とは?基本の違いを理解しよう
建物の骨組みに使われる鉄骨には、大きく分けて軽量鉄骨と重量鉄骨の2種類があります。
軽量鉄骨は、薄い鋼板を使って作られており、主に住宅や軽量の建物に使われます。一方、重量鉄骨は厚い鋼板や太い鋼材を使っていて、大型のビルや工場などのしっかりした建物に使われることが多いです。
これらの違いは、鉄骨の断面の厚さや強度、そして用途によって決まっています。次の見出しでさらに詳しく違いを掘り下げていきましょう。
軽量鉄骨のメリットとデメリット
軽量鉄骨はその名の通り、軽くて扱いやすいのが特徴です。厚さは一般的に3ミリ以下の鋼板を使い、加工や運搬が簡単にできるため、住宅の骨組みや2階建て程度の建物に適しています。
【軽量鉄骨のメリット】
- 比較的安価でコストを抑えやすい
- 施工が早くて工期が短い
- 柔軟性があり、多少の地震の揺れに対応しやすい
しかし、軽量鉄骨は壁の厚みや構造上の制約が大きく、大型の建物や重量のかかる部分には向きません。耐火性も重量鉄骨に比べて低いです。
【軽量鉄骨のデメリット】
- 耐震性や耐久性は重量鉄骨より劣る
- 遮音性がやや低い
- 長期間の使用や大きな荷重には不向き
重量鉄骨のメリットとデメリット
重量鉄骨は厚い鋼板や太めの断面で作られており、ビルや工場、商業施設のような大きく強い建物に使われます。厚さは6ミリ以上のものが多く、非常に強度が高いです。
【重量鉄骨のメリット】
- 高い耐震性と耐久性がある
- 大きな荷重に耐えられる
- 長期的な使用に適している
- 自由な設計が可能で大空間を作れる
ただし、重量鉄骨は材料が重く、施工に時間や費用がかかる場合があります。加えて、加工や運搬にも手間がかかるため、コストが高くなる傾向にあります。
【重量鉄骨のデメリット】
- コストが高い
- 施工期間が長い
- 加工・運搬が大変
軽量鉄骨と重量鉄骨の比較表
項目 | 軽量鉄骨 | 重量鉄骨 |
---|---|---|
鉄骨の厚さ | 3mm以下の薄い鋼板 | 6mm以上の厚い鋼板・太い断面 |
主な用途 | 住宅、2階建て程度の建物 | ビル、工場、大型商業施設 |
強度・耐久性 | 中程度、軽量向き | 非常に高い、重量物向き |
施工期間 | 短い | 長い |
コスト | 比較的安価 | 高価 |
耐火性 | 低い | 高い |
どちらを選ぶ?軽量鉄骨と重量鉄骨の使い分けポイント
実際に建物を建てるときは、目的や予算、建物の構造や規模によって軽量鉄骨か重量鉄骨を選びます。
例えば、自宅のような小さな住宅では軽量鉄骨が適していて、コストも抑えられます。逆に、数階建て以上の商業施設や工場、耐震性を強く求める建物には重量鉄骨が向いています。
また、耐火性や耐震性の高さが法律で求められる場合もあるので、建築士や専門家と相談しながら決めましょう。
軽量鉄骨は加工や運搬がしやすく施工もスムーズなので、工期短縮を考える場合に便利。重量鉄骨はしっかりした強度があるので、将来的に安全安心な建物を求めるならおすすめです。
軽量鉄骨と重量鉄骨の中でも、軽量鉄骨の薄い鋼板は実は「溶接」よりも「ボルト接合」でつなぐことが多いです。これは薄いために熱で金属が変形しやすいからです。だから軽量鉄骨の建物は、工場で大量生産される部品を現場で組み立てるようなイメージで作られています。こうした工法のおかげで、軽量鉄骨は工事が速く、比較的安く住宅に使われているんですね。現代の住宅づくりで大活躍している理由の一つです。
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