
匿名化と非識別化の基本的な違いとは?
個人情報を扱う際に重要な「匿名化」と「非識別化」という言葉。どちらも似ているようで実は異なる意味を持っています。匿名化とは、データから個人を特定できる情報を完全に削除し、誰の情報か分からなくすることです。例えば、名前や住所、電話番号などを完全に消してしまうイメージです。
一方、非識別化は個人を直接特定できないように情報を加工するものの、工夫次第では元に戻すことも可能な状態を指します。つまり、本人が特定しづらくなっているけど、全く分からなくなっているわけではありません。
このように匿名化は元に戻せない完全な非特定化、非識別化は特定を難しくするが逆に戻せる可能性が残る処理だと理解しておくとわかりやすいです。
違いを理解すると、情報漏えいを防ぐ方法としてどちらが適しているかを選ぶことができます。匿名化はプライバシーを完全に守りたいとき、非識別化は分析や利用範囲に柔軟性を持たせたいときに使われます。
匿名化と非識別化の具体的な特徴を表で比較
項目 | 匿名化 | 非識別化 |
---|---|---|
目的 | 個人の特定を完全に不可能にする | 個人の特定を難しくするが完全ではない |
手法 | 名前やIDの完全削除、統計的手法の利用 | 仮名化、データの一部加工やぼかし |
元に戻せるか? | 戻せない | 条件やキーがあれば戻せる場合がある |
利用例 | 公的統計データの公開、研究データの提供 | マーケティング分析、利用者特性の把握 |
リスク | ほぼゼロ | 再識別のリスク有り |
ピックアップ解説
非識別化って、なんだか“あいまいな加工”って感じがしますよね。でも実は、マーケティングやデータ分析で超重要なんです。たとえば、ECサイトではお客さんの行動を追跡したいけどそのままだと個人情報。そこで『非識別化』して、個人を特定されにくくした状態でデータを使う。実は、非識別化は“安全と利便性のバランスをとる”絶妙なテクニックなんですよね。
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