
セキュリティインシデントとセキュリティ事故の基本的な違いとは?
セキュリティの分野でよく使われる「セキュリティインシデント」と「セキュリティ事故」という言葉は、似ているようで意味や使い方に違いがあります。
セキュリティインシデントとは、セキュリティ上の問題が起こったり、その可能性がある事象のことを指します。例えば、不正アクセスの試みや不審な通信など、まだ大きな被害が出ていないが注意すべき出来事です。
一方で、セキュリティ事故はインシデントが進展し、実際に情報漏えいやシステム障害などの被害が発生してしまった状態を意味します。つまり、インシデントは予兆や初期段階、事故はその被害が確定した段階で使われる言葉です。
この違いを理解することは、事故対応の適切な判断や防止策の構築に役立ちます。
具体例でわかるセキュリティインシデントとセキュリティ事故の違い
もう少し具体的に考えてみましょう。例えば、あなたの会社のパソコンで誰かが不正ログインを試みた痕跡があったとします。
この時点ではまだ情報が盗まれたりシステムが壊されたわけではありません。これがセキュリティインシデントです。
しかし、その不正ログインに成功して顧客情報が外部に漏れてしまった場合は、これがセキュリティ事故となります。
また、ウイルスに感染した疑いがあるが詳細はまだ不明な状態もインシデント、感染が確定しシステムが広範囲に破壊されたら事故と区別されます。
このように、インシデントは問題発生の可能性や初期段階、事故は被害が確定した状態をあらわします。
セキュリティインシデントとセキュリティ事故の管理と対応の違い
セキュリティインシデントとセキュリティ事故は発生した時の対応が異なります。
インシデント管理は、いち早く問題を検知し、拡大を防止、被害になる前に対応することが目的です。例えばログの監視や疑わしい通信の遮断、調査などが中心になります。
一方、事故対応はすでに被害が発生し、被害の拡大防止と復旧、原因調査を実施します。被害者への連絡や法的対応、再発防止策の策定も求められます。
以下の表に違いをまとめます。
項目 | セキュリティインシデント | セキュリティ事故 |
---|---|---|
意味 | 問題発生や発生の疑いがある状態 | 被害が確定し実際の損害が出た状態 |
例 | 不正アクセスの試み、ウイルス感染の疑い | 情報漏えい、システム破壊 |
対応 | 早期検知、拡大防止、調査 | 被害対応、復旧、再発防止策の実施 |
このように、両者は因果関係にあり、インシデントの適切な管理が事故発生防止につながります。
「セキュリティインシデント」という言葉は、実は『まだ被害が発生していないけれど、問題の兆候がある状態』を指します。ちょっとした怪しい動きや間違いが原因でもインシデントになり得るので、実は日常的に企業のセキュリティ担当者が注意深く見ている警告音のようなものなんです。だからインシデントを見つけたらすぐに対処することで、大きな事故を防ぐ第一歩になるんですよ。まるで病気の初期症状を見逃さないようにするイメージですね。