
リアーキテクトとリファクタリングの基本的な違いとは?
ソフトウェア開発の現場でよく使われる用語にリアーキテクトとリファクタリングがあります。両者は似ているように感じますが、実は目的や規模が大きく異なります。
まず、リファクタリングはコードの中身をきれいに整理し、理解しやすく保守しやすくするための小さな改善作業です。例えば、変数名をわかりやすく変えたり、重複しているコードをまとめたりします。このとき、ソフトウェアの外から見た動作は変わりません。
一方、リアーキテクトはシステムの基本的な設計(アーキテクチャ)を大きく作り直すことです。例えば、昔の技術や設計に縛られているシステムを、最新のやり方に変えるケースです。リアーキテクトはリファクタリングよりも多くの時間と労力が必要で、結果的にシステムの見た目や動きに大きな変化が現れる場合もあります。
このようにリファクタリングは小さな改善、リアーキテクトは大きな再設計という違いがあります。
リアーキテクトとリファクタリングの目的と効果の違い
両者の違いを理解するためには、それぞれの目的と効果を見るのが重要です。
- リファクタリングの主な目的
・コードの可読性向上
・バグを生みにくいコードにする
・保守性を高める
・パフォーマンスの微調整(ただし大幅な変更は含まない) - リアーキテクトの主な目的
・システムの基盤技術を最新にする
・将来的な大規模変更に耐えられる設計にする
・機能追加や変更作業を効率よくする
・パフォーマンスやスケーラビリティの大幅改善
リファクタリングは既存のコードを汚れた部分からきれいな部分に変えていくとイメージするとわかりやすいでしょう。リアーキテクトは建物を一度壊して基礎から作り直すような大きな作業です。
システム規模が大きかったり複雑だったりする場合は、リアーキテクトによって更に良い設計に変えないと現状維持が困難になります。
下記の表で違いを簡単にまとめました。
項目 | リファクタリング | リアーキテクト |
---|---|---|
目的 | コードの改善と保守性の向上 | システム全体の設計の大幅な見直し |
作業範囲 | 主にコードレベル | システム全体や基盤 |
影響範囲 | システムの動作は基本的に変わらない | システムの構造や動作に変化が出る |
作業時間 | 比較的短期間 | 長期間を要する |
効果 | 保守・開発の効率アップ | 性能向上や機能拡張がしやすい設計になる |
リアーキテクトって聞くと、難しそうで大がかりなことに感じますが、実は"建物の設計図を書き直す"ようなイメージです。
昔のアーキテクチャは、新しい技術や用途の広がりに対応しにくいことが多いので、長期間使ううちに問題が増えます。
そこでリアーキテクトをして、新しい設計に切り替えることで、将来的に楽にシステムを拡張したり性能を向上させることができるんですよ。
でも、簡単にできる作業ではないので、計画と時間がしっかり必要なんです。