
マルチスレッドとマルチタスクとは何か?
パソコンやスマートフォンを使うとき、同時にいろいろな作業が動いているのを見たことがありますか?
それを実現しているのがマルチスレッドとマルチタスクという技術です。
でも、この二つはなんだか似ているようで違いもあります。
まずは、マルチスレッドとマルチタスクがそれぞれ何を意味しているのか見ていきましょう。
マルチスレッドは、一つのアプリやプログラムの中で複数の処理を同時に動かす仕組みのことです。
例えばゲームの中で、キャラクターが動く処理と音楽が鳴る処理を同時に行うのがマルチスレッドになります。
一方、マルチタスクはコンピュータの中で複数のプログラムを同時進行できる仕組みのことです。
例えば、ブラウザを使いながら音楽を聴く、メッセージを送るといった様々なアプリを同時に動かすことができます。
これでまず、マルチスレッドは1つのアプリ内の同時処理、マルチタスクは複数のアプリを同時に扱うことと覚えましょう。
マルチスレッドとマルチタスクの技術的な違い
もう少し詳しく技術面での違いを見てみましょう。
まず、コンピュータにはCPUという頭脳の部分があり、ここで処理が行われています。
CPUは基本的には一度に1つの命令しか実行できませんが、高速に切り替えをすることで複数の処理を同時にしているように見せています。これを「並行処理」といいます。
・マルチスレッドでは、一つのプログラム(プロセス)の中で複数のスレッド(処理の単位)があり、同じメモリを共有しています。
このため、スレッド同士は連携が取りやすい反面、ぶつかることもあります。
・マルチタスクは複数のプログラムが実行され、それぞれ自分のメモリ領域を持っています。
CPUがタスクごとに処理の時間を分けて割り当てています。
次の表にまとめてみました。
ポイント | マルチスレッド | マルチタスク |
---|---|---|
対象 | 一つのプログラム内の複数処理 | 複数のプログラム(アプリ) |
メモリ | 同じメモリ領域を共有 | プログラムごとに別のメモリ領域 |
切り替え方法 | 高速にスレッド切り替え | タスクごとに時間割り当て |
用途 | 処理の効率化や高速化 | 複数作業の並行実行 |
マルチスレッドとマルチタスクのメリットと注意点
それぞれの技術には良い点もあれば注意が必要な点もあります。
マルチスレッドのメリット
・同じプログラム内で複数の作業を並行して効率よく処理できる。
・プログラムのレスポンスが良くなり、使いやすくなる。
マルチスレッドの注意点
・スレッド間でデータのやり取りをするため、プログラムの設計が難しい。
・スレッド同士がメモリを共有するため、ぶつかるとバグの原因になることがある。
マルチタスクのメリット
・複数のアプリや作業を同時に行えるので便利。
・ユーザーは一つの画面で様々な作業ができる。
マルチタスクの注意点
・CPUの処理時間を分け合うので、たくさんのアプリを同時に動かすと遅く感じることがある。
まとめると、マルチスレッドはプログラムの内部効率化、マルチタスクは複数プログラムの同時実行という違いがあり、どちらも現代のコンピュータでとても重要な仕組みです。
理解できると、パソコンやスマホの動きをもっと楽しく感じられますよ!
マルチスレッドは一つのプログラムの中で複数の作業を並行して進める仕組みですが、実はスレッド同士が同じメモリ空間を共有しているので、ちょっとしたミスでお互いのデータを壊してしまうこともあるんです。プログラマーにとっては効率アップの反面、こうした「競合状態」を防ぐための工夫も必須なんですよ。ちょっとしたハラハラ感があって、これがプログラミングの面白さでもあるんですね。