
内部収益率(IRR)とは何か?
まずは内部収益率(IRR)について説明します。IRRとは、投資したお金がどれだけの割合で増えるかを示す指標です。もっとわかりやすく言うと、ある投資案件において将来得られる利益の現在価値を計算したとき、その利益の現在価値の合計が投資額と同じになる割引率のことです。つまり、その投資がどれくらい効率よくお金を増やすかをパーセントで表したものと言えます。
例えば、あなたがお小遣いを使って何かに投資するとします。その投資で返ってくるお金が年に何パーセント増えるのかを示してくれるのが内部収益率です。
この場合、IRRが投資のコストや期待される最低の利回りを上回っていると、その投資は良いと判断されます。投資の効果を比較するのに有効な数値です。
正味現在価値(NPV)とは?
次に正味現在価値(NPV)について解説します。NPVは投資から得られる将来の利益を、現在の価値に直して足し合わせ、そこから投資額を引いた数字です。
簡単にいうと、投資したお金が将来どれだけ増えるのか、増えた分を全部合わせたとき、使ったお金を差し引いて結局いくら儲かるかを示しています。つまり、NPVがプラスなら儲かる投資、マイナスなら損をする投資と判断できるのです。
例えば、1000円を投資して、将来の利益を現在の価値に直して計算したら1100円分あるとわかったら、NPVは100円になります。つまり100円得している計算です。
内部収益率と正味現在価値の違いとは?
ここまででIRRとNPVの意味は分かりましたが、両者の違いを理解することがとても重要です。大きな違いは以下の点にあります。
1. 計算の目的と見方の違い
NPVは投資の『絶対的な利益額』を示します。つまり、実際にいくらお金が増えるかがわかります。一方でIRRは『投資の効率、利回りの割合』を示すので、何%の利率で増えるのかがわかります。
2. 判定基準の違い
NPVがプラスなら投資は良いと判断します。IRRの場合は、算出したIRRが投資の最低利回り(割引率)を上回っていれば良い投資とされます。
3. 複数案件比較の方法の違い
複数の投資案件を比較する際、IRRは利率を比較するためわかりやすい利点がありますが、NPVは金額ベースなので、絶対どれだけ利益が出るかを比較できます。
これらの違いを表にまとめると以下のようになります。
ポイント | 内部収益率(IRR) | 正味現在価値(NPV) |
---|---|---|
計算でわかること | 投資の利回り(%) | 投資の利益金額(円) |
判定基準 | IRRが割引率より高ければ良い | NPVがプラスなら良い |
比較のしやすさ | 利率で比較しやすい | 利益額で比較しやすい |
単純さ | 計算が少し複雑 | 計算がわかりやすい |
このように、IRRとNPVはどちらも投資評価に欠かせない指標ですが、得られる情報が異なることを理解し、場面に応じて使い分けることが大切です。
まとめ
今回は内部収益率(IRR)と正味現在価値(NPV)の違いについて解説しました。
IRRは投資の利回りを%で示し、NRPは投資の儲けを金額ベースで示す指標です。
両者を理解し、投資の効果を正確に分析することで、より良い投資判断ができるようになります。
初めてこの言葉に触れる人も、この記事を読めば違いをしっかり理解できると思いますので、ぜひ参考にしてください。
投資の世界は少し難しく感じられるかもしれませんが、一つ一つわかると楽しくなってきますよ!
内部収益率(IRR)は、ただの数字の割引率のように見えますが、実は投資の『お金が増える速さ』を示す指標なんです。投資案件の中には複数の利回りが存在する場合もあり、その時にIRRが複数出てくることがあります。これは『複数の内部収益率問題』と呼ばれるものです。つまり、IRRだけに頼ると誤解を招くこともあるため、NPVと一緒に見ることが重要なんです。数字の世界にもドラマがあるんですね!
次の記事: 投資初心者必見!投資収益率と期待収益率の違いをわかりやすく解説 »