
修繕費と営繕費の基本的な違いとは?
まずはじめに、「修繕費」と「営繕費」という言葉の意味をおさえておきましょう。
修繕費は、一度壊れたり傷んだものを元の状態に戻すためにかかる費用です。たとえば、建物の壁にヒビが入った場合にそのヒビを直す費用が修繕費です。
一方、営繕費とは、建物や設備などを良い状態に保つために定期的に行う修繕やメンテナンスの費用です。壊れる前に予防的に行う修繕も含まれます。
このように、修繕費は「壊れたものを修理する費用」、営繕費は「良好な状態を維持するための費用」という点が大きな違いです。
それぞれの費用は経理上の処理方法や税務上の扱いも異なる場合がありますので、特に会社の経理担当者は正しく区別することが大切です。
修繕費と営繕費の具体的な例と使い分け方
具体的にどんな支出が修繕費で、どんな支出が営繕費なのかは、場合によって迷うことも多いです。
下の表でわかりやすくまとめてみました。
費用の種類 | 内容の例 | 説明 |
---|---|---|
修繕費 | ・地震や事故で壊れた窓ガラスの交換 ・設備の故障修理 ・雨漏り補修 | 壊れてしまった部分を元に戻す費用。予想外の損傷時にかかることが多い。 |
営繕費 | ・定期的な塗装や清掃 ・建物の点検・メンテナンス ・設備の定期交換(摩耗した部品の交換など) | 事前に行い、壊れにくくしたり良好な状態を保つための費用。 |
例えば、建物の壁を定期的に塗り替える費用やエアコンのフィルター清掃などは営繕費です。
逆に、壁にできた大きなヒビを直す費用やエアコンが壊れて修理する費用は修繕費になります。
会社の経費として計上する際は、これらの使い分けが重要です。
正確に区別しないと税務調査で指摘を受ける可能性があります。
修繕費と営繕費の経理処理の違いと注意点
経理での扱いも「修繕費」と「営繕費」では異なる場合があります。
一般的に修繕費は発生した年度の費用としてそのまま損益計算書に計上します。
一方、営繕費は「資産の維持管理にかかる費用」として扱われることが多く、長期的に使う設備のための費用は資産に計上し、数年にわたり減価償却することもあります。
ただし、金額や内容によって違いが出るため、会計基準や税法を参考にする必要があります。
特に会社では、税務署から指摘されないように支出の内容を明確にし、適切に費用処理を行うことが重要です。
また中小企業の経理担当の方やフリーランスの方は、無料相談窓口や専門家に確認すると安心です。
まとめると、
- 修繕費:壊れた部分を直すための費用。即時費用処理が多い。
- 営繕費:良好な状態維持のための費用。場合によって資産計上や減価償却。
修繕費と営繕費の違いはよく混同されやすいんですが、面白いのは、営繕費が壊れてから直す『修繕費』と違って、壊れないように予防する費用だということです。これは、家やビルを守る“先回りのケア”みたいなもの。たとえば毎年壁を塗り替えることや設備のメンテナンス費用が営繕費です。壊れたあとで慌てて直すより、日頃からちゃんとケアする方が結果的にコストも抑えられますし、建物も長持ちしますよね。つまり、営繕費は未来のトラブルを防ぐ投資のような役割があると考えるとわかりやすいんです。