
逸失利益とは何か?
まずは逸失利益について説明しましょう。逸失利益とは、事故やトラブルなどで本来得られたはずの利益を失ってしまった場合に、その損失分を指します。たとえば、仕事をして収入を得ている人がケガをして働けなくなり、将来得られるはずの収入が減ってしまった場合、それが逸失利益にあたります。
損害賠償を求める際に重要なのは、この逸失利益を計算し、どのくらい損をしているのかを証明することです。逸失利益は直接的な損害と考えられることが多く、積極的に加害者に請求できる部分となります。
間接損害とは?
次に間接損害を見てみましょう。間接損害とは、事故やトラブルが原因で起きるが、直接の損害ではなく、結果として生じる損害のことです。例えば、事故で工場が一時的に動けなくなり、そのせいで取引先との契約がうまくいかなくなって将来的に得られたはずのお金が減ってしまった場合などが挙げられます。
間接損害は直接の損害に比べて因果関係の証明が難しいため、賠償請求が認められにくいケースもあります。しかし、状況によっては請求可能な場合もあるため、注意が必要です。
逸失利益と間接損害の違いを表で比較
項目 | 逸失利益 | 間接損害 |
---|---|---|
意味 | 事故などで直接失った将来の利益 | 事故の結果として起きる間接的な損害 |
性質 | 直接的な損失 | 間接的な損失 |
計算のしやすさ | 比較的計算しやすい | 因果関係の証明が難しい |
請求のしやすさ | 請求しやすい | 請求が難しい場合が多い |
具体例 | ケガで働けず得られなかった給与 | 事故により取引先と契約できず失った利益 |
逸失利益と間接損害を理解するポイント
損害賠償を考えるうえで、逸失利益と間接損害の違いを理解することは非常に重要です。なぜなら、どこまでの損害を認めてもらえるかは、請求の根拠となるからです。
一般的には、逸失利益は請求が認められやすく、損害賠償の基盤となります。一方で間接損害は条件が厳しく、明確な証明が求められます。
まとめると、逸失利益は直接的に失われた将来の収入や利益を補填するための損害であり、間接損害はそれに関連して派生した二次的な損害だと考えればわかりやすいです。
損害賠償の現場や法律相談では、この違いをしっかり把握して、適切な賠償請求を行うことが大切です。
逸失利益について、実はその計算方法にちょっと面白い点があります。将来にわたってどれだけの利益が失われたのかを考えるとき、単純に損失分を合計するだけでなく、“現在価値”に換算することが多いんです。これはお金の価値が時間とともに変わるからで、100万円を今もらうのと10年後にもらうのでは価値が違うと考えるんですね。だから、逸失利益の計算には将来の期待収入を現在の価値に変える割引率というものを使います。
こうした細かい計算が、損害賠償で争われるポイントになることも多いです。難しいですが知っておくと法律の世界が少し近く感じられるかもしれませんね。
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