
インフォームドコンセントとは何か?
インフォームドコンセントは、医療の場面でとても大切にされている考え方です。これは、医師が患者さんに治療内容やリスク、その他の選択肢について十分に説明し、患者さんがその情報を理解したうえで同意することを意味します。つまり、患者さんはただ言われるがままに治療を受けるのではなく、しっかり説明を聞いて納得した状態で治療を始めることが求められているのです。
このプロセスは患者さんの権利を守るためにとても重要で、説明なしに治療を進めることは法律でも禁止されている場合が多いです。医師と患者の間で信頼関係を築き、患者さんが安心して治療を受けられるように設計されています。
インフォームドコンセントでは、医師が主に説明をし、患者がその内容を理解して同意するという流れが基本です。患者は説明を聞いた後、自分が納得できるかどうかを判断する立場にあります。
共同意思決定とは何か?
共同意思決定(Shared Decision Making)は、インフォームドコンセントの考え方をもっと進めたものと言えます。医師と患者が一緒になって治療やケアの選択肢について話し合い、患者の価値観や希望を尊重しながら最適な決定をしていくプロセスです。
ここでは、医師が単に説明をするだけでなく、患者の意見を積極的に聞き、患者の生活スタイルや考え方に合った治療法を一緒に探します。たとえば、複数の治療方法がある場合に、それぞれのメリット・デメリットや、患者の希望する結果に合わせて選択肢を調整します。
これにより、患者はただの治療の“受け手”ではなく、治療の“パートナー”として医療に参加できるのです。互いにコミュニケーションを取りながらいっしょに決めるため、満足度や治療の効果も高まると言われています。
インフォームドコンセントと共同意思決定の違い
両者は似ているようで少しずつ違います。下の表にまとめてみました。
ポイント | インフォームドコンセント | 共同意思決定 |
---|---|---|
医師と患者の関係 | 医師が説明、患者が同意 | 医師と患者が対等なパートナー |
目的 | 患者の同意を得る | 患者の価値観を反映した最善の選択 |
患者の役割 | 情報を理解して同意する | 積極的に意見を出す |
選択肢への関わり | 主に情報提供と同意 | 話し合いで選択肢を調整 |
つまり、インフォームドコンセントは説明と同意の段階で、共同意思決定は対話を通じて最適な治療を一緒に決めるプロセスという違いがあります。
医療が進化するにつれて、患者さんの意見や希望をもっと尊重する共同意思決定の重要性が高まっています。安全で納得のいく治療を目指して、こうしたスタイルが広がっているのです。
まとめ:どう使い分ける?
まとめると、インフォームドコンセントは患者さんに十分な説明をし、その上で同意を得ることに主眼があります。対してこんにちは共同意思決定は医師と患者が一緒に話し合いながら治療の選択肢を決めることで、患者さんの考えや希望を反映させる方法です。
医療現場ではこの両方が大切で、インフォームドコンセントをきちんと行ったうえで、可能なら共同意思決定のプロセスを取り入れることで、患者さんにとってより良い医療が実現します。
難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば「説明を聞いて納得するのがインフォームドコンセント」「話し合って決めるのが共同意思決定」と覚えておくとわかりやすいでしょう。
みなさんも病院で説明を受けるときは、わからないことは遠慮せず質問し、自分の気持ちや意見も伝えてみてください。それがより良い治療につながります。
「インフォームドコンセント」という言葉、医療ドラマなどでよく耳にしますよね。実はこの言葉はラテン語の"informed consent"から来ていて、「十分な情報を得た同意」という意味です。意外と知られていませんが、患者さんがたとえ難しい説明を聞いても理解できないままだと、本当のインフォームドコンセントは成立しません。だから医師は患者さんにわかりやすく説明する努力が欠かせないんです。こうした配慮は医療の安全性を高めるだけでなく、患者さんの信頼感を深める大事なポイントなんですね。