
HTTPとSOAPって何?基本を押さえよう
まず、HTTPとは、「ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル」の略で、インターネット上でデータを送受信するための約束事(プロトコル)です。身近な例で言えば、ウェブページを見るときに使われている技術です。
一方、SOAPは「Simple Object Access Protocol」の略で、ウェブサービスを実現するための通信手順のひとつです。
正確には、SOAPはXMLというデータフォーマットを使い、HTTPなどのプロトコルを利用してメッセージをやりとりします。つまり、HTTPは通信のルールで、SOAPはそのルールの上に成り立つメッセージ形式ややり取りの仕組みなのです。
簡単に言うと、HTTPは「道路」のようなもので、SOAPはその道路を使った「バスの路線」と考えるとわかりやすいでしょう。
HTTPとSOAPの主な違いは?用途と仕組みを比較
HTTPとSOAPは役割が違うため、使い方や特徴に大きな違いがあります。わかりやすくまとめると下記のようになります。
項目 | HTTP | SOAP |
---|---|---|
役割 | 通信を行うための基本的なルール | メッセージの形式ややり取りのプロトコル |
通信内容 | ウェブページや画像などのデータ | プログラムやサービスの呼び出し情報 |
利用方法 | ブラウザなどからのリクエスト | WEBサービス間のメッセージ交換 |
データ形式 | テキストやHTML、JSONなど | XML形式が基本 |
利点 | シンプルで広く使われている | 堅牢で細かい制御やエラーハンドリングに適している |
欠点 | 複雑な処理には不向き | XMLのためやや重く複雑 |
HTTPは通信のルールそのもので、それ自体は「データの中身」を特に決めていません。
一方で、SOAPはXMLメッセージという特定のフォーマットに従って通信を行い、ウェブサービスを呼び出すための仕組みです。
つまり、SOAPはHTTPを使うことも多いですが、HTTPだけではSOAPの機能は成り立ちません。
HTTPとSOAPの使い分けと実例
HTTPとSOAPは用途によって使い分けられます。
例えば、普段私たちが見るウェブサイトはHTTPだけで動いています。ブラウザがHTTPリクエストを送り、HTMLや画像が返ってくる仕組みです。
これに対して、SOAPは企業のシステム間で複雑なデータや操作をやり取りする時に使われることが多いです。
例えば、会社の在庫管理システムと販売システムが連携する場合、SOAPメッセージで在庫情報の更新や注文情報のやり取りを行います。
この時は欠かせない細かい制御やエラー処理が必要なため、SOAPが最適です。
とはいえ、最近はSOAPよりも簡単で軽量なRESTやJSON形式が使われることが増えてきました。
それでもSOAPは長い歴史があり、大企業の基幹システムなどでは重要な役割を担っています。
ポイント
- HTTPはインターネットの基本ルール
- SOAPはウェブサービス間の複雑な通信に適している
- 利用目的やシステムの規模、必要な機能で選択することが大事
SOAPはXML形式で通信を行うため、メッセージが比較的大きくなりがちですが、これには理由があります。
XMLはデータの構造を厳密に表現できるので、複雑な情報や多段階の処理結果を正確に伝えるのに向いています。
さらに、SOAPには標準でエラー処理やセキュリティなどの仕組みが組み込まれているため、銀行や医療など重要なシステムで重宝されているのです。
つまり、SOAPの重さは信頼性と正確な通信のために必要なトレードオフなんですね。
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