
外形図と外観図の違いって何?基本をわかりやすく解説します
設計や図面に関わる人であれば、「外形図」と「外観図」という言葉を聞いたことがあると思います。
しかし、この2つの言葉は似ているようで、実は全く意味が違うことをご存じでしょうか?
外形図とは、物の形を簡単に示す図面のことです。
主に物の大きさや形の輪郭を平面や断面で表した図面で、寸法などが分かりやすい特徴があります。
たとえば機械部品や製品の外形を示すため、設計や製造で使われます。
一方で外観図は、物の見た目の姿を色やテクスチャーも含めて表現した図です。
商品のパッケージや建物のイメージ図、インテリアのレイアウト図など、完成形をイメージしやすいものが外観図になります。
この2つはどちらも「外見」を表すような名前ですが、外形図は物の形やサイズに重点、外観図は見た目の雰囲気に重点を置いている違いがあります。
それでは、具体的にどのように違うのか、詳しく見ていきましょう。
外形図の特徴と使い方
外形図は製造業や設計の現場でとても重要な役割を持ちます。
特徴としては
- 物体の実寸の輪郭や断面を明確に示す
- 形状の正確な寸法が記載されている
- 色や質感は基本的に表現しない
たとえば自動車の部品や機械のパーツを作る時に、材料を切り出したり加工したりする元になる図面が外形図です。
ここで正確な寸法が重要で、間違いがあれば製品としての性能に問題が生まれます。
だからこそ、外形図は寸法の数字や形の輪郭がはっきりと描かれているのが特徴です。
また、多くの場合、複数の角度からの投影図や断面図で組み合わせて、物の全体像を正確に伝えます。
外形図は実務の現場で使うことが多いため、技術者や設計者にとって不可欠なものなのです。
外観図の特徴と使い方
一方の外観図は、設計の後や製品の宣伝、プレゼンテーションでよく登場します。
特徴としては
- 物の完成形の見た目をリアルに表現する
- 色や質感、材質のイメージも含める
- 寸法よりもデザインや印象が重要視される
外観図は建築の完成予想図や商品のカタログ写真のように、見た目の魅力や雰囲気を伝えるための絵として使われます。
実際にどんな見栄えなのか、施主や顧客がイメージしやすい点がポイントです。
ただし外観図は、技術的な実寸が正確であるとは限りません。
むしろ色合いや表面の質感で印象を強調する役割を持ちます。
このため、設計図面の段階ではなく、企画や販売促進の場で多く用いられます。
外形図と外観図の違いをわかりやすく比較!
以下の表に、外形図と外観図の特徴をまとめました。
外形図 | 外観図 | |
---|---|---|
目的 | 物の正確な形状や寸法を示す | 物の見た目やデザインのイメージを伝える |
内容 | 形の輪郭線、寸法、投影図、断面図 | 色、質感、光沢、仕上げのイメージ |
利用者 | 設計者、製造者、技術者 | 顧客、施主、宣伝担当者 |
利用シーン | 設計作業、製造指示、技術評価 | 商品プレゼン、完成予想図、広告資料 |
このように外形図は形や寸法が重要、外観図は見た目のイメージが重視されるということがポイントです。
図面の目的によってどちらを使うかが決まってきます。
たとえば機械のパーツを作る場合は外形図が必須ですが、完成予想のイメージを見せたい時は外観図が適しています。
場合によっては両方の図を用意し、設計とイメージを両立させることもあります。
まとめ:外形図と外観図の違いを押さえて正しく使おう
最後に、今回のポイントをおさらいしましょう。
- 外形図は物の正確な形やサイズを示す図面で、製造や設計で重宝される。
- 外観図は物の見た目やデザインのイメージを表現し、宣伝や説明で使われる。
- 両者は名前が似ていても目的や内容、用途が異なるため混同しないことが大切。
これらの違いを理解すると、設計やプレゼン、ものづくりの現場での情報共有がスムーズになります。
ぜひ自信をもって、外形図と外観図の意味や役割を使い分けてみてくださいね!
外形図という言葉を聞くと、つい外観図と混同しがちですが、実は外形図は物の【形や寸法に特化した図面】です。
例えば、機械部品の加工で外形図が重要な理由は、設計者が具体的に形の大きさや正確な輪郭を示さなければ、パーツが正しく作れないからです。
ここで面白いのは、外形図は色や質感にはまったく触れず、純粋に「ものの形」を見せるだけのシンプルさ。
このシンプルさこそが工業製品の品質を守る秘訣なんですね。
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