
更正と更正の請求の基本的な違いとは?
税金の話をするときに、「更正(こうせい)」と「更正の請求」という言葉を聞くことがあります。
この二つは似ているようで、実は重要な違いがあります。
まずはそれぞれの意味から説明しますね。
「更正」とは、税務署が申告内容を調べ直して、申告内容に誤りや不足がある場合に訂正することを言います。つまり、税務署側からの指摘で修正が行われるんです。
一方、「更正の請求」は、納税者本人が自分の申告した内容に誤りがあったと気づいて、正しい金額に直して欲しいと税務署にお願いすることを意味します。
要するに、更正は税務署のアクションで、更正の請求は納税者のアクションだと覚えてください。
次の章では、もっと具体的に流れや目的をくわしく紹介します。
更正の仕組みと更正の請求の流れを詳しく解説
「更正」は税務署が行うので、税務署の職員が申告された内容をチェックし、間違いを見つけたときに修正処理をします。これによって追加の税金を請求されたり、逆に還付されたりすることがあります。
この更正は、例えば確定申告後に税務署が調査を行い、申告内容に間違いがあると判断した場合に使われます。
これに対して「更正の請求」は、納税者自身が申告ミスに気付いたとき、一定期間内に税務署に申し出て、申告内容を修正してもらう制度です。
例えば経費の計上漏れがあったり、所得の過小申告が見つかった場合に使われます。
更正の請求は、申告期限から5年以内に申し出る必要があります。期間を過ぎると請求できませんので注意しましょう。
このように、更正は税務署主導、更正の請求は納税者主導で行われるのが大きな特徴です。
更正と更正の請求の違いをわかりやすく比較表でチェック!
ポイントを一覧で整理すると、両者の違いがより鮮明になります。以下の表をご覧ください。
項目 | 更正(こうせい) | 更正の請求 |
---|---|---|
実施主体 | 税務署 | 納税者(申告者) |
目的 | 申告内容の誤り訂正 (税務署が発見) | 申告の誤り訂正 (納税者が発見) |
申告期限 | 調査後に更正通知 | 申告期限から5年以内 |
処理の方向 | 税額の追加請求や還付 | 過払い税額の還付請求など |
納税者への通知 | 必ず通知がある | 請求後に納税者へ通知 |
この表から分かるように、どちらも誤りを正すための手続きなのですが、主体や申告期限、処理の流れに違いがあることがわかりますね。
税金のトラブルを避けるためにはこの違いを理解し、必要に応じて適切な手続きを行うことがとても重要です。
続いて、実際にどんなときに使われるのか、具体例を紹介しておきます。
更正と更正の請求はどんな場合に使う?具体例でイメージしよう
更正のケース
例えば、税務署があなたの申告書を調べて、申告していた所得が実際より少ないことがわかったとします。
その場合、税務署が更正を行い、不足分の税金を請求します。
更正の請求のケース
反対に、自分で申告した時に経費計上を忘れてしまい、払う税金が多くなっていたと気づいた場合。
このとき、納税者は更正の請求を税務署に出して、過払い分の還付を求めることができます。
このように、税務署からの指摘か、納税者からの申請かが、どちらを使うかのポイントになります。
ただし、税の専門用語や手続きに不慣れな人は、税理士さんに相談すると安心ですよ。
「更正の請求」という言葉を聞くと、ちょっと難しいイメージがありますよね。でも、〈納税者が自分の申告ミスに気づいて訂正をお願いする行動〉なんです。
例えば、お小遣い帳をつけているときに、収入や支出を間違えて記録したと気付いたら、直しますよね?
それと同じで、自分で申告の誤りを正したいときには更正の請求を使います。
意外と知られていませんが、申告期限から5年以内ならこの請求ができるため、とても便利な制度なんです。
これを知っておくと、もし間違いに気づいたときあわてずに済みますよね!
次の記事: マイナンバーと住基ネットの違いとは?分かりやすく徹底解説! »