
複式簿記とは何か?
複式簿記(ふくしきぼき)とは、お金の動きや取引を記録する会計の方法の一つです。
特徴は「二つ以上の場所に同時に記録する」こと。例えば、1000円の売上があったら、その1000円がどこから入ってきて、どこへ行ったかを必ず二か所以上に書きます。これにより、お金の流れを正確に把握できる仕組みになっています。
複式簿記は「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」という2つの記録欄を使うので、バランスが常に取れていることが特徴です。
例えば、現金が1000円増えたなら借方の「現金」欄に記入し、同時に売上が1000円増えたことを貸方の「売上」欄に記入します。こうすることで、帳簿全体のバランスが保たれるのです。
貸借対照表とは何か?
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)は、「ある日」の会社や個人の財産や借金、資本の状態を一覧にしたものです。
「バランスシート(Balance Sheet)」とも呼ばれ、英語ではBSと略されます。
特徴は、会社が持っている資産(お金・建物・機械など)と負債(借金・支払い義務など)、そして資本(自己資金)がいくらあるのかをまとめて見られることです。
貸借対照表は大きく3つの部分に分かれています。
- 資産(しさん):会社が持っているお金やもの
- 負債(ふさい):会社が借りているお金や返さなければいけないもの
- 純資産(じゅんしさん):資本金や会社の利益の蓄え
両者の合計金額が必ず同じになるのが特徴です。これによって会社の財政状態がわかりやすくなっています。
複式簿記と貸借対照表の違いを簡単にまとめると?
複式簿記と貸借対照表は、会計の中で役割が異なります。
それぞれを比べてみましょう。
項目 | 複式簿記 | 貸借対照表 |
---|---|---|
目的 | 取引を正確に記録し、お金の流れを把握する | 会社の財産や負債の状態をまとめて見る |
使う期間 | 毎日または取引ごとに記録 | ある特定の日における状態 |
内容 | 増えたり減ったりしたことすべての記録 | 資産・負債・純資産の一覧表 |
特徴 | 必ず借方と貸方の記録が一致する | 資産総額と負債+純資産の合計が同じになる |
簡単に言えば、複式簿記は会社の取引を「毎日の記録帳」、貸借対照表は「ある日の会社の財産と借金のまとめ表」と言えます。
複式簿記で取引を記録し、その集計結果を元に貸借対照表が作成されるのです。
まとめ
複式簿記は会計記録を正確にする仕組みで、会社やお店のお金の動きを二重に記録する方法です。
貸借対照表は、ある時点での財産や負債の状態をまとめた一覧表で、会社の財務状態を明確に示します。
両方とも会計では欠かせないものですが、役割や見方が違うのでしっかり区別することが大切です。
会計やお金のしくみを知る第一歩として、複式簿記と貸借対照表の違いを理解してみてください。
複式簿記について意外と面白いのは、この方法が500年以上も前に考えられたことです。
イタリアのルカ・パチョーリという修道士が15世紀に発明したと言われていますが、その基本ルールは今もほとんど変わっていません。
日々のお小遣い帳とは違い、複式簿記は「左右のバランスを取る」ことでミスに気づきやすくし、信頼できる記録を残せる仕組み。
だから企業だけでなく、家計の管理や趣味のプロジェクトでも意外と役立つんですよね。
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