
司法試験と弁護士試験の違いとは?
司法試験と弁護士試験はよく混同されがちですが、実は意味や役割が異なります。司法試験は法律の知識や理解力を測る国家試験のことを指します。もともと、司法試験は法曹三者(弁護士、検察官、裁判官)全てを目指すための共通資格試験でした。
一方で弁護士試験という名前が使われることもありますが、これは司法試験合格後の実務修習を終えた者が弁護士登録を行うための最終的な試験や手続きを指すことがあります。つまり、司法試験は法曹資格を得るための試験全般を表し、弁護士試験は弁護士になるための最終段階のプロセスと理解すると良いでしょう。
この2つの違いを正しく理解しないと、法律家を目指す人の道筋がわかりにくくなってしまいますので注意が必要です。
司法試験の仕組みと役割について
司法試験は日本の法曹資格を取得するために最も重要な国家試験です。合格すれば、裁判官や検察官、弁護士になるための第一歩を踏み出せます。
以前は「司法試験」と「司法修習」を経て法曹資格を取るという流れが一般的でしたが、2019年以降は「予備試験」という制度も導入され、法科大学院を経ないルートでも司法試験の受験資格が得られるようになりました。
試験内容は憲法、民法、刑法など法律の幅広い分野が問われ、合格率は10%前後と非常に難関です。
司法試験に合格した後は約1年間の司法修習に参加し、司法実務の基礎を学びます。この修習を終えて初めて、実際に弁護士や裁判官として活動する資格を得られます。
弁護士試験の意味と違いとは?
弁護士試験は正式な独立した試験名ではなく、司法試験合格後の司法修習修了をもって弁護士資格が付与されます。
つまり、弁護士になりたい人は司法試験に合格した後、司法修習に合格(修了)する必要があるのです。この修習では裁判所や検察庁、法律事務所での実務研修を行い、実際の法律業務に必要な知識や経験を積みます。
司法試験合格=弁護士資格ではないという点が大きな違いです。
このため、司法試験後の司法修習を修了しないと弁護士として独立あるいは登録もできません。
「弁護士試験」と呼ばれることもあるものの、それは司法修習の評価や最終考査を指すことが多く、独立した試験制度はありません。
司法試験と弁護士試験の違いまとめ
項目 | 司法試験 | 弁護士試験 |
---|---|---|
試験の内容 | 法律の知識と理解を問う国家試験 | 司法修習の実務評価(独立試験ではない) |
受験資格 | 法科大学院修了(または予備試験合格者) | 司法試験合格者が対象 |
目的 | 法曹資格取得のため | 弁護士資格の付与(修習修了) |
試験の位置づけ | 法曹資格の入口 | 弁護士資格の最終段階 |
このように司法試験と弁護士試験は似て非なるものであり、司法試験は法曹の門戸を開く試験、弁護士試験は司法試験合格後の実務研修の修了を意味すると考えてください。
これから法律家を目指す人は、この違いをきちんと理解して夢の実現に向けて準備を進めていきましょう!
司法試験に合格しても、すぐに弁護士になれるわけではないという事実は意外に知られていません。
実は、司法試験は法律の知識を問う試験で、合格後に行う司法修習(実務研修)を終えなければ弁護士資格はもらえません。
この司法修習がいわば“最後の関門”で、ここでの評価や経験が法律家としての実力を育てます。
だから、司法試験は入口、司法修習は弁護士になるための大事な育成期間なんですよね。
この流れを知ると、法律家になるための道のりの深さがよくわかります。
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