
予備試験と司法試験の基本的な違いとは?
法律を学んで弁護士や裁判官などになるために必要な試験に「予備試験」と「司法試験」があります。
まず予備試験とは、法科大学院を経ずに司法試験を受けられるようにするための試験です。予備試験に合格すると司法試験を直接受験できます。
一方司法試験とは、弁護士や裁判官、検察官になるために必ず合格しなければならない国家試験です。これに合格すると法曹資格を得ることができます。
つまり、予備試験は司法試験を受けるための「通過点」なのに対して、司法試験は「最終的な資格取得の試験」という違いがあります。
この違いを簡単にまとめると次のようになります。
違い | 予備試験 | 司法試験 |
---|---|---|
役割 | 司法試験の受験資格を得るための試験 | 法曹資格取得のための最終試験 |
受験資格 | 原則なし(誰でも受験可能) | 法科大学院修了者か予備試験合格者 |
合格後 | 司法試験の受験資格が得られる | 法曹資格取得(弁護士等) |
予備試験と司法試験の受験の流れと難易度の違い
予備試験は誰でも挑戦できるため、特に法科大学院に通わず独学で合格目指す人が増えています。
試験内容は複数の科目に分かれていて筆記試験と口述試験があります。合格率はおよそ3~5%程度とかなり厳しいものです。
司法試験は予備試験合格者や法科大学院修了者のみ受験可能で、こちらも筆記と口述があります。
合格率は50%前後ですが、受験者のレベルが高いため油断はできません。
まとめると
- 予備試験は初めての人でも挑戦可能、合格率は3~5%の難関
- 司法試験は受験資格がある人が対象で合格率は約50%
試験の難易度は予備試験が非常に高く、法律知識を幅広く身につけていないと合格は難しいことがわかります。司法試験はそれをクリアした人が受けるため合格率が高いですが、油断してはいけません。
予備試験合格のメリットと司法試験合格後のキャリアについて
予備試験に合格すると法科大学院を経ずに司法試験の受験資格を得られます。時間・費用の節約になるので、自分のペースで法律を学びたい方にメリットがあります。
司法試験に合格すると晴れて弁護士や裁判官、検察官になれる道が開けます。法律の専門家として働けるだけでなく、社会的信用や収入面でも安定が見込めます。
具体的には次のようなキャリアが考えられます。
合格後の進路 | 主な仕事内容 |
---|---|
弁護士 | 依頼者の法律問題の相談や訴訟の代理 |
裁判官 | 裁判の判決を下す仕事 |
検察官 | 犯罪事件の捜査や公判の担当 |
このように、早くリーガルキャリアをスタートさせたい人には予備試験の合格は大きなチャンスです。一方で司法試験合格は専門職としての第一歩という位置付けになります。
予備試験と司法試験はどちらも厳しい挑戦ですが、目標に向かってしっかり準備すれば必ず道は開けます。
予備試験の興味深いポイントは、その受験資格が基本的にないということです。つまり、法科大学院に通っていなくても、法律の勉強を独学で続けていれば挑戦できます。この制度ができたことで、お金や時間の制約で法科大学院に通えない人にも司法試験への道が開かれました。実際、独学で予備試験に合格し法律家になった方も多く、新しい挑戦の場となっています。だから、法律に興味がある人は、この試験についてしっかり情報を集めてみる価値がありますよ。
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