
定期建物賃貸借と建物賃貸借の違いとは?
みなさんは「定期建物賃貸借」と「建物賃貸借」という言葉を聞いたことがありますか?
両方とも建物を借りたり貸したりするときの契約ですが、実は内容やルールがかなり違います。
特に不動産の契約では、どちらの契約を選ぶかで借りられる期間や終了のタイミングが大きく変わります。
簡単に言うと、定期建物賃貸借は契約期間が決まっていて、その期間が終わったら契約も終了する契約です。
一方、普通の建物賃貸借(借地借家法の普通借家契約)は契約期間があっても期間終了後に更新ができるので、長く借り続けられる場合が多いのです。
この違いは、貸す側(大家さん)と借りる側(借り主)それぞれにメリットとデメリットがあります。
それでは具体的にどこが違うのか、詳しく見ていきましょう。
定期建物賃貸借とは?特徴とメリット・デメリット
定期建物賃貸借契約は、下記の特徴があります。
- 契約期間が最初にしっかり決められている(たとえば5年とか10年など)
- 期間が終わったら基本的に契約は自動で終了し、更新はできません
- 貸す側が契約終了時に建物を確実に返してほしい場合に利用されます
- 借りる側の更新請求権がありません(貸主が更新しない決定を拒否できる)
メリットは貸主側が将来の建物利用予定を確実に管理できることです。
例えば、自分で建物を取り壊して新築を計画している場合などに役立ちます。
デメリットは借主側にとっては更新ができないため、期間終了後は必ず明け渡さないといけないことです。
そのため長く住み続けたい人には向きませんし、賃料交渉の自由度も低くなるケースがあります。
このように「期間が決まっている確実な返還」が大きなポイントです。
建物賃貸借(普通賃貸借)とは?特徴とメリット・デメリット
一般的に「建物賃貸借」と言われるのは、借地借家法に基づく普通借家契約のことが多いです。
こちらは定期借家契約とは違い、契約期間経過後も更新ができます。
特徴としては:
- 契約期間があっても、期間満了時に借主が希望すれば契約更新ができる
- 借主に強い更新請求権が認められている
- 貸主側が正当な理由がないと契約を終了できない
メリットは借主が長期間安心して住むことができる点です。
突然契約解除されて追い出される心配をかなり軽減できます。
しかしデメリットもあり、貸主側は建物の返還を求めにくいことがあります。
たとえば建て替えをしたいなどの理由があってもすぐに契約解除ができないのです。
このことからどちらにも一長一短があります。契約する前にどちらが自分に合っているかよく考える必要があります。
定期建物賃貸借と建物賃貸借の違いを表でまとめてみよう!
ポイント | 定期建物賃貸借 | 建物賃貸借(普通賃貸借) |
---|---|---|
契約期間 | 期間が最初から決まっている(例:5年固定) | 期間は決まるが期間満了後更新可能 |
契約終了 | 期間満了で終了。更新なし。 | 更新可能で長期入居可能。 |
更新請求権 | 借主に更新請求権なし。 | 借主に強い更新請求権あり。 |
貸主の都合 | 貸主が期間満了後に確実に返還を求められる。 | 貸主が正当な理由なしに終了できない。 |
借主の安心感 | 期間限定のため長期の安心は少ない。 | 長期に住み続けやすく安心感がある。 |
まとめ
定期建物賃貸借と普通の建物賃貸借の最大の違いは、契約期間と更新の可否にあります。
定期建物賃貸借は契約期間が決まっており、期間終了とともに必ず契約終了となるため貸主側に有利です。
一方、普通の建物賃貸借は借主に更新請求権があり、長期間にわたり安心して住み続けられることがメリットです。
賃貸契約を結ぶときは自分がどちらの立場に立ちたいか、また将来の計画も考慮して選ぶことが重要です。
わからないことがあれば専門家に相談することをおすすめします。
ぜひこの記事を参考に、賃貸契約をスムーズに進めてくださいね!
今回の記事で出てきた「更新請求権」について、ちょっと深掘りしてみましょう。
法律用語としては難しく感じるかもしれませんが、簡単に言うと「借りている人が『もっとこのお部屋に住みたい!』と言えば、大家さんは簡単に『ダメ』と言えない権利」のことです。
これがあるおかげで、普通の建物賃貸借だと、急に追い出される心配が少なくなっているんですね。
逆に定期建物賃貸借にはこれがなく、貸す側の都合が優先されるので、貸した後の計画が立てやすいんです。
つまり、更新請求権は借主の「住み続けたい」という気持ちを法的に守る大切な制度ということです。
このポイントを意識すると、賃貸契約の違いがぐっと分かりやすくなりますよ!
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