
PTSDとストレス障害の違いとは?
日常生活の中で「PTSD」と「ストレス障害」という言葉を聞くことがありますが、これらの病気はどう違うのでしょうか?
PTSDは正式には『心的外傷後ストレス障害』と呼ばれ、強いトラウマ体験をきっかけに起こる精神の病気です。例えば、地震や事故、暴力などの怖い体験をした後に、恐怖や不安が長く続く状態です。
一方、ストレス障害は幅広いストレスが原因で生じる精神の不調のことを指します。仕事や学校のプレッシャー、人間関係の悩みなど、様々なストレスで体や心が疲れてしまうことです。
このようにPTSDは特定のトラウマ体験が原因ですが、ストレス障害は日常の様々なストレスが積み重なって発症する点が大きな違いです。
PTSDとは何か?特徴と症状
PTSDは、強烈な恐怖や悲しみを感じる出来事を経験した後に発症します。
主な症状には、
- その出来事を何度も思い出してしまう「フラッシュバック」
- 夜に怖い夢を見てよく眠れない
- 音や匂いなどがきっかけで急に怖くなる
- 感情が冷たくなって周りの人と距離を感じる
などがあります。これらの症状が長期間続くと日常生活に大きな影響を与えます。
PTSDは早期に適切な治療を受けることが大切です。専門のカウンセリングやお薬で症状が改善するケースも多いです。
ストレス障害とは?種類と注意点
ストレス障害は、心身に負担をかけるストレスが原因で起こるさまざまな状態を含みます。
具体的には次のようなものがあります。
- うつ病
- 適応障害(環境にうまく対応できない状態)
- 不安障害
これらは、過度の仕事や人間関係のストレスで起こりうるため、日常のサインに注意が必要です。
ストレス障害は症状が人それぞれ多彩で、頭痛や胃痛、イライラ、不眠が現れることもあります。
日々の生活習慣の見直しや早めの受診が大切です。
PTSDとストレス障害の違いをまとめた表
ポイント | PTSD | ストレス障害 |
---|---|---|
原因 | 大きなトラウマ体験(災害・事故など) | 日常のさまざまなストレス |
症状 | フラッシュバック、悪夢、感情の麻痺など | 不眠、頭痛、イライラ、うつ、適応障害 |
治療法 | 心理療法、薬物療法 | 生活改善、カウンセリング、薬物療法 |
期間 | 継続的(1ヵ月以上)で重症化することも | 一時的な場合が多いが慢性化もある |
PTSDとストレス障害は似ているようで、その原因や症状に大きな違いがあり、適切な理解と対応が重要です。
もし自分や周りの人に心配な症状がある場合は、専門家に相談してみましょう。
メンタルヘルスは誰もが関わる大切なテーマなので、正しい知識を持ち、負担が大きいと感じたら無理せず助けを求めてください。
PTSDの症状の一つに「フラッシュバック」というものがありますが、これはトラウマ体験をまるで今起こっているかのように何度も心の中で再現してしまう現象です。例えば、事故の音や光景が突然頭に浮かんで強い恐怖を感じることがあります。怖い夢を見ることも多いので、本人は休んでも休んだ気がしないことがあります。フラッシュバックは周囲から見ると理解しづらい症状ですが、本人にとっては非常に大変な苦しみです。だからこそ、回復には時間と専門の治療が必要になるのです。