
不動産評価額と固定資産評価額の基本的な違いとは?
不動産を持っていると、よく耳にするのが「不動産評価額」と「固定資産評価額」という言葉です。これらは似ているようで違う言葉ですが、一体何が違うのでしょうか?
不動産評価額は、不動産の市場価値や取引される場合の値段の目安を指します。つまり、その土地や建物がどれくらいの価値を持っているのか、実際の売買を想定した評価のことです。
一方、固定資産評価額は、主に税金を計算するための価値を示します。これは市町村の役所が決めるもので、不動産税や固定資産税などの課税基準になる価額です。
つまり、簡単に言うと「売るときの価値」が不動産評価額で、「税金を決めるときの価値」が固定資産評価額ということになります。
この違いを理解することは、不動産の売買や税金の計算を正しく行ううえでとても重要です。
次の章で、それぞれの評価額の詳しい特徴や使われ方について説明します。
不動産評価額の特徴と実際の利用例
不動産評価額は、土地や建物が市場でどのくらいの価値を持っているかを示す価格です。
この評価は、実際に売買する際の参考価格として使われることが多く、市場の動向や周辺地域の取引価格、不動産の状態などが反映されます。
一般的に、不動産鑑定士が行う鑑定評価や、不動産仲介会社が出す査定額がこれにあたります。
例えば、家を売りたい時に「どのくらいの値段で売れるのか?」を知るためには、この不動産評価額が大切です。
また、住宅ローンを組む際にも担保価値として用いられる場合があります。
不動産評価額は変動しやすく、社会の経済状況や地域の再開発などで大きく変わることがあるので注意が必要です。
固定資産評価額の特徴と税金への関係
固定資産評価額は、主に固定資産税や都市計画税を計算する際に使われる評価額です。
これを算定するのは市区町村の役所で、実際の市場価格よりも一般的に少し低めに設定されています。
その理由は、税負担を適切に調整しやすくするためです。また、評価替えが3年に一度行われ、一定のルールに基づいて評価額が決まります。
例えば、あなたの家の固定資産評価額が3,000万円だとすると、その額に一定の税率をかけて固定資産税が計算されます。
この評価額は売買での価格とは違うため、売買価格が上がってもすぐには税額には反映されないことが多いです。
税金を考える上でこの固定資産評価額は非常に重要な数字なので、役所から送られてくる評価証明書を確認しましょう。
不動産評価額と固定資産評価額の具体的な違いをまとめた表
項目 | 不動産評価額 | 固定資産評価額 |
---|---|---|
目的 | 売買や担保価値の参考 | 固定資産税や都市計画税の課税基準 |
算出主体 | 不動産鑑定士や業者 | 市区町村の役所 |
算出方法 | 市場価格や取引事例などから相場に近い価格を算出 | 評価基準に基づき3年ごとに再評価 |
変動のしやすさ | 経済状況や需要により頻繁に変動 | 原則3年に1度の見直し |
実際の利用例 | 売買契約、住宅ローンの担保評価 | 固定資産税や都市計画税の計算基準 |
以上のように、不動産評価額と固定資産評価額は目的や算定方法が異なり、使われる場面も違います。
不動産を持っている方は両方の評価額を正しく理解し、売買や税金計算に活かしましょう。
不動産評価額というと一般的には「売るときの値段」と思いがちですが、実はその算定は複雑です。
地域の経済状況や周辺の取引価格だけでなく、建物の状態や将来の価値も加味されます。
また、鑑定士によって評価が多少違うことも。
つまり、同じ不動産でも評価額は一つに決まらず、複数の見方があるのが面白いところです。
売る側も買う側も、この点に注意して査定を見ると良いでしょう。
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