
相続税と譲渡所得税の基本的な違いとは?
私たちの生活に関係する税金にはさまざまな種類がありますが、その中でも「相続税」と「譲渡所得税」はよく混同されやすい税金です。
しかし、両者は目的も対象も大きく異なります。相続税は、亡くなった人から財産を引き継ぐときにかかる税金です。一方、譲渡所得税は、所有している財産を売ったり譲ったりして利益が出たときにかかる税金です。これらの違いを理解することで、自分や家族の将来設計に役立てることができます。
ここでは、それぞれの税金の仕組み、計算方法、税率の違いを詳しく説明していきます。
相続税とは?特徴と計算方法を詳しく解説
相続税は、亡くなった方の財産を家族などの相続人が受け継ぐ際にかかる税金です。
財産には現金や不動産、株式などさまざまなものが含まれます。日本では、一定の金額を超える相続財産に対して課税されます。
計算は以下のように行います。まず、相続人全員の財産の合計を算出し、そこから「基礎控除額」を引きます。
基礎控除額の計算式は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です。
その残った額に対して速算表の税率が適用されます。相続税の税率は5%から55%まで段階的に上がる累進課税制度です。
相続税は財産を受け取るタイミングで支払うものなので、いわば財産の「引き継ぎ」に対する税金と言えます。
譲渡所得税とは?売却時の税金の仕組みを解説
譲渡所得税は、土地や建物、株式などを売ったときに得た利益(譲渡所得)にかかる税金のことです。
例えば、家や株式を買った値段より高く売れた場合、その差額つまり利益に対して課税されます。
譲渡所得の計算は以下の通りです。
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
取得費は買ったときの値段、譲渡費用は売る時にかかった費用です。
税率は財産の所有期間によって異なり、5年以下の場合は39.63%、5年超の場合は20.315%が適用されます。
これは所得税と住民税の合計で、長く持っていたほど税率が低くなる仕組みです。売った時点で利益が出ている場合に支払う税金と覚えておきましょう。
相続税と譲渡所得税の違いを一覧表で比較!
項目 | 相続税 | 譲渡所得税 |
---|---|---|
課税対象 | 亡くなった人の財産を相続した時の財産 | 資産を売ったり譲った時の利益(売却益) |
課税のタイミング | 相続発生時(財産を受け取った時) | 資産の譲渡(売却)時 |
税率 | 5%~55%の累進課税 | 5年以下39.63%、5年超20.315%(所得税+住民税) |
計算方法のポイント | 相続財産の合計から基礎控除を引く | 売却価格から取得費・譲渡費用を引いて利益を算出 |
税金の目的 | 財産の移動に伴う税金 | 利益に対する所得税の一種 |
まとめ:どちらの税金も理解して賢く対策を!
簡単にまとめると相続税は財産を引き継ぐときにかかる税金で、譲渡所得税は財産を売って利益を得たときにかかる税金です。
両者は対象や計算方法、税率が異なるため、混同しないようにしましょう。
例えば、相続で家を受け取った後に売却する場合、相続税の支払いが終わっていても譲渡所得税がかかる可能性があります。
税金のことは複雑に感じるかもしれませんが、基本を押さえることで不安が減り、計画的な資産運用や節税につながります。
将来のために、ぜひ今回の内容を参考に税金の違いを理解しておきましょう。
譲渡所得税の税率が長期保有で低くなる理由には、「資産を長く持ち続けて安定した投資を促すため」という背景があります。
例えば株式や不動産を買ってすぐに売って利益を得るのと、数年かけてじっくり運用するのでは、社会的にも安定性が違いますよね。
だから税率を下げて長期保有を促す仕組みがあるんです。ひとつの税制設計だけど、ちょっと面白いポイントですよね!
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