
夫婦関係調整調停と離婚調停の基本的な違い
夫婦関係調整調停と離婚調停は、どちらも裁判所が関与する手続きですが、その目的や内容は大きく異なります。
夫婦関係調整調停は、まだ離婚するかどうか決まっておらず、
関係の修復や改善を目指すための話し合いの場です。
夫婦が抱える問題点を整理し、問題解決や円満な関係を築くために調停委員が間に入りサポートします。
例えば、夫婦間のコミュニケーション不足や生活方針の違い、育児に関する悩みなど、離婚せずに解決したい問題がある場合に利用されます。
離婚調停は、すでに離婚の意思がある場合に、
離婚条件(財産分与、養育費、親権など)について話し合いを行うための手続きです。
当事者同士で話し合いがうまくいかない場合に裁判所の調停委員が介入して解決を目指します。
離婚調停で合意できない場合は、最終的に裁判に進むケースもあります。
夫婦関係調整調停と離婚調停の流れと特徴の比較
具体的には、流れや特徴は以下のような違いがあります。
項目 | 夫婦関係調整調停 | 離婚調停 |
---|---|---|
目的 | 夫婦関係の改善や修復 離婚回避を目指す | 離婚そのものの合意形成 離婚条件の調整 |
申立て | 家庭裁判所に申し立てる | 家庭裁判所に申し立てる |
調停委員の役割 | 夫婦間の感情や問題の整理を促す | 離婚条件の調整に重点を置く |
解決する内容 | 夫婦関係の問題全般、生活改善策など | 離婚の合意、財産分与、親権、養育費など |
終了後 | 関係が改善しない場合は離婚調停に移行可能 | 合意できなければ訴訟に進む場合がある |
以上のように、両者は目的と話し合う内容が大きく異なるため、どちらを選ぶかは夫婦の状況によって決まります。
離婚を考えていない又は迷っている場合は夫婦関係調整調停、離婚の合意を目指す場合は離婚調停を利用するとよいでしょう。
夫婦関係調整調停・離婚調停が必要なケースと注意点
夫婦関係調整調停を選ぶべきケース
・夫婦の問題点をきちんと話し合いたい
・離婚には踏み切りたくないが、関係を改善したい
・子どものために離婚せず円満な関係を築きたい
離婚調停を選ぶべきケース
・離婚することは決まっているが条件で揉めている
・話し合いで離婚成立させたいが合意できない
・慰謝料や財産分与など具体的な取り決めが必要
なお、調停は法的な強制力を持つわけではありませんが、
調停調書が作成されると、合意内容が法的に有効になるため、
真剣に取り組むことが大切です。
また、調停過程では弁護士に相談したり、<
専門家の助言を得ることも有効です。
中立的な立場の調停委員が円滑な話し合いをサポートしてくれますので、
感情的になりすぎず話し合いに臨みましょう。
「夫婦関係調整調停」は、離婚をするか迷っている人や夫婦関係を良くしたい人に利用されることが多い調停です。意外と知られていませんが、この調停は離婚を避けるためのものなので、離婚を前提に話し合う離婚調停とは全く目的が違います。だからこそ、迷ったときはこの調停を選んでみると、夫婦の絆を見直すチャンスになるかもしれませんよ。
調停委員が間に入ってくれるので、一人で悩み続けるよりずっと心強いんです。
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