
うつ病と心身症の違いとは?基本から理解しよう
世の中では「うつ病」と「心身症」という言葉がよく聞かれますが、実はこの二つは別の病気です。
うつ病は、心の病気の一つで気分が落ち込んだり、意欲がなくなったりする症状が特徴です。
一方、心身症は心のストレスが体に影響を及ぼし、身体の病気や症状として現れるものを指します。
このように、一見似ているようで、原因や症状の出方が異なります。次の章で詳しく見ていきましょう。
うつ病の特徴と症状
うつ病の主な特徴は気分の落ち込みと意欲の低下です。
具体的な症状は次の通りです。
- 気分が沈み、悲しみや絶望を感じる
- 何事にも興味が持てなくなる
- 疲れやすく、体力がなくなる
- よく眠れない、または逆に過眠
- 食欲不振や過食
- 集中力の低下
これらは長期間(2週間以上)続くことが多く、日常生活や学校、仕事に大きな支障をきたすことがあります。
うつ病の原因は脳内の神経伝達物質のバランスの乱れや環境的ストレス、遺伝的要因などが複合的に関わっています。
治療は主に薬物療法や心理療法が行われます。
心身症とは?ストレスが体に影響を及ぼす病気
心身症は精神的なストレスが原因で体の病気や不調が起きる状態を指します。
うつ病のような気分の落ち込みは必ずしも強くない場合もあります。
よく見られる心身症の症状は以下の通りです。
- 胃痛や胃潰瘍などの消化器系の症状
- 慢性的な頭痛や肩こり、腰痛
- 呼吸がしづらくなる息苦しさ
- 動悸やめまい
- 過敏性腸症候群
これらは身体の病気として現れ、病院で検査しても明確な器質的疾患が見つからない場合もあります。
心身症の治療はストレスの軽減を目的とし、カウンセリングやリラクゼーション、生活習慣の改善などが行われます。
うつ病と心身症の違いをわかりやすく表で整理
ここで、うつ病と心身症の違いを表でまとめてみましょう。
項目 | うつ病 | 心身症 |
---|---|---|
主な症状 | 気分の落ち込み、意欲低下、眠れないなど | 身体の痛みや不調(胃痛・頭痛など) |
原因 | 脳内の神経伝達物質のバランス異常や環境ストレス | 心理的ストレスが体に影響 |
症状の現れ方 | 主に心の症状 | 主に身体の症状 |
治療 | 薬物療法、心理療法 | ストレス軽減、カウンセリング、生活改善 |
診断のポイント | 精神科や心療内科で診断 | 身体症状の検査後、異常がない場合に診断 |
このように、うつ病は心の病気が主体で、心身症は心が原因で体に不調が出る病気と理解してください。
ピックアップ解説
うつ病と心身症の違いでよく驚かれるのは、心身症の症状が実際には身体に強く現れることです。
例えば、胃痛や頭痛が続いて病院を訪れても、検査で原因が見つからず、『心身症』と診断されることがあります。
これは心のストレスが身体の様々な部分に影響を与えているためで、単なる気のせいではありません。
こうした心と体のつながりを理解すると、心の健康ケアの重要性がよく分かりますね。