
ステートチャート図と状態遷移図とは?
まず、状態遷移図とステートチャート図について簡単に説明します。両方とも、システムやプログラムの中で、物や機械、人物などがどのように“状態”を移り変わるかを示す図です。
たとえば、ゲームのキャラクターが「待機」「攻撃」「防御」という状態をとり、それがどう変化していくかを視覚的に示せるものです。どちらも「状態」と「遷移(移動)」を表しますが、使い方や表現の豊かさに少し違いがあります。
状態遷移図の特徴
状態遷移図は、物事がどのような状態から次の状態に変わるかをシンプルに表現するための図です。
図は主に「状態」と「その状態から別の状態へ移る矢印(遷移)」で成り立っています。
非常にわかりやすく、基本的な状態の変化を順序良く説明するのに適しています。
たとえば学校の時間割で「授業中」「休み時間」「掃除時間」などの状態があったとき、それらのつながりを示すのに状態遷移図は便利です。
特徴:
- シンプルで基本的な状態の変化を表現
- 状態と遷移の数が限られている場合に分かりやすい
- 主に順序やルールを示すのに使う
ステートチャート図の特徴
一方で、ステートチャート図は状態遷移図の拡張版として考えられています。
同じ「状態」と「遷移」の表現に加えて、状態の階層化や並行状態の表現、そして内側に複数の状態が含まれる場合の表現方法が特徴です。
たとえば、ロボットの行動を考えると「移動中」の中に「歩く」「走る」などの細かい状態が含まれていたり、同時に「バッテリー残量モニタリング」など別の状態管理も行っていたりします。こうした複雑な関係を分かりやすく整理したい時に、ステートチャート図が役立ちます。
特徴:
- 階層的な状態管理ができる
- 複数の状態を同時に管理できる(並行状態)
- 例外処理や開始・終了状態も表現可能
- より複雑なシステムに対応可能
違いをまとめた表
項目 | 状態遷移図 | ステートチャート図 |
---|---|---|
表現の範囲 | 単純な状態と遷移を表現 | 階層的、並行的な状態を含む複雑な表現 |
用途 | 単純なルール・順序の説明 | 複雑なシステムや詳細設計 |
状態の階層化 | なし | あり |
並行状態 | 無対応 | 対応可能 |
記述の複雑さ | シンプル | 複雑(より多機能) |
まとめ
ステートチャート図と状態遷移図は、どちらもシステムの状態変化を視覚化するための強力なツールです。
その違いは主に「複雑さ」にあります。状態遷移図は基本的な状態変化をシンプルに示すのに適しており、ステートチャート図はより複雑な階層構造や並行状態を表現できる点で優れています。
初心者や単純な仕組みを説明するときは状態遷移図がわかりやすく、複雑なシステム設計や複数の同時進行が絡む場合はステートチャート図を使うと理解や管理がしやすくなります。
ぜひ用途に応じて使い分けてみてください!
「ステートチャート図」の面白いポイントは、ただ単に状態が移り変わるだけじゃなくて、その中に階層的な状態があることなんです。例えば、ゲームのキャラクターの“行動中”という状態の中に“走る”や“ジャンプする”といった細かい状態が入る感じ。まるで箱の中に小さい箱が入っているみたいで、これができるから複雑な動きを効率良く整理できるんですね。中学生でも、ステートチャート図の構造を見ると、物事の複雑な動きをレゴブロックの積み木のように考えられて面白いですよ。
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