
イーサネットフレームとパケットの基本的な違い
インターネットやLANでよく使われる言葉に「イーサネットフレーム」と「パケット」があります。どちらもデータ通信において重要な単位ですが、意味が似ているため混乱しやすいです。
イーサネットフレームは、主に有線LAN(イーサネット)で使われるデータの単位です。パケットはネットワーク全体で使われる「データの一まとまり」という広い意味を持っています。
つまり、イーサネットフレームはパケットの一種ですが、パケットという言葉はもっと広い範囲で使われるというのが基本的な違いです。
詳しくは後の見出しで詳しく解説しますが、イーサネットフレームはイーサネットのルールに従ってデータを小さな単位に分割し、送受信されます。パケットはIP通信などで使われ、宛先や経路の情報を含みます。
イーサネットフレームの構造と役割
イーサネットフレームとは、イーサネットネットワーク上でデータを送るときのルールに従って作られたデータの一部分のことです。
イーサネットフレームは、具体的には以下のような部品からできています。部分 内容 宛先MACアドレス データの送り先の機器の識別子 送信元MACアドレス データを送る機器の識別子 タイプ(形式) フレームの中のデータが何のプロトコルかを示す データ部分 実際の送信する情報(ペイロード) CRC データにエラーがないか確認するためのチェックコード
イーサネットフレームは基本的にLAN内で、直接繋がった機器同士がデータをやり取りするのに使われます。MACアドレスという機械固有の番号が使われていて、このルールにしたがってデータが送られるので正確に通信できます。
このフレームは「イーサネット」という特定の通信方式の中でのデータのまとまりなので、イーサネットフレームが伝わる範囲は通常、同じLAN内に限られます。
パケットとは何か?どんな役割があるのか
パケットは、ネットワーク上でデータを送るための「情報のかたまり」のことです。
パケットはイーサネットフレームよりも広い概念で、さまざまな通信規格の中で用いられます。
例えば、IP通信では、データはIPパケットという単位で送られます。IPパケットには、送り先のIPアドレスや送信元のIPアドレスといった情報が含まれています。
パケットの特徴は、宛先などのネットワークの情報が含まれていて、異なるネットワーク間を転送できることです。
また、パケットはデータの伝達効率を上げるために、必要に応じて複数の小さな単位に分割されることもあります。こうした分割された単位も「パケット」と呼ばれます。
つまり、パケットはインターネットのような大きなネットワークで正確にデータを送り届けるための重要な単位なのです。
イーサネットフレームとパケットの違いを表でまとめる
ここまでの内容を分かりやすくするために、イーサネットフレームとパケットの違いを表にまとめました。項目 イーサネットフレーム パケット 使われる範囲 LAN内のイーサネットネットワーク
(同じLAN内)LANからインターネットまで
さまざまなネットワーク含まれるアドレス情報 MACアドレス(物理アドレス) IPアドレス(論理アドレス) 役割 データを物理的に送るための単位 データを経路を通じて届けるための単位 通信方式 イーサネット規格に準拠 IPやその他のプロトコル 大きさ 通常64〜1518バイト 自由に分割・結合可能(可変)
このように、イーサネットフレームは物理的なLAN環境の中でデータを運ぶ単位であり、パケットはその上位のネットワーク層でデータの配送経路を管理する概念です。
まとめ:イーサネットフレームとパケットの違いを理解しよう
ここまで「イーサネットフレーム」と「パケット」の違いを見てきました。
・イーサネットフレームはLANの物理層やデータリンク層で使われるデータの単位
・パケットはネットワーク層以上の論理的な通信単位
つまり、両者は似ているようで役割や使う場所が違います。
初心者の方は「イーサネットフレームはLAN内のデータの箱、パケットはIPネットワークを渡るデータの袋」と覚えると分かりやすいでしょう。
これからネットワークの勉強をする際に、この違いをしっかり押さえておけば理解がスムーズになります。
ネットの世界は複雑ですが、こうした基本的な単位の違いを知ることが最初の一歩です。
「MACアドレス」はイーサネットフレームの重要な要素ですが、普段あまり意識しないと思います。実はMACアドレスはネットワーク機器一台一台に割り当てられた固有の識別番号で、IPアドレスのようにネットワークの住所みたいなものではありません。だから、同じLAN内で電話帳の名前を呼ぶように通信先を特定できる便利な仕組みなんです。ちょっとしたネットワーク機器の世界の小さな秘密ですね!