
尿検査と検尿の違いって何?
まずは「尿検査」と「検尿」という言葉の違いをはっきりさせましょう。
普段の生活で病院や健康診断で「尿検査」や「検尿」という言葉を聞いたことがあると思います。どちらも尿を使って体の健康状態を調べる検査ですが、実は意味や使われ方に少し違いがあります。
簡単に言うと、「検尿」は尿を採取して体に問題がないか簡単に調べる行為そのものを指し、主に尿の色やにおい、成分の有無を調べることが多いです。
一方、「尿検査」はもっと広い範囲をカバーしていて、尿の中の化学成分や細胞成分など詳しい分析を行い、病気の診断や健康チェックのために行う専門的な検査全般を指します。
つまり、検尿は尿検査の一部とも言えることが多いのです。
言葉の使い分けは医院や目的によって異なることもありますが、大まかにはこうした違いを理解しておきましょう。
尿検査と検尿の具体的な内容や方法の違い
検尿では患者さんがトイレで採取した尿を「見て」「匂いを確認し」「簡単な試験紙を使って尿中のタンパク質や糖の有無を調べる」ことが一般的です。
これは健康診断や病気の初期スクリーニング(ふるいわけ)に使われます。検尿の結果が異常であれば次に尿検査に進むことが多いです。
一方尿検査は顕微鏡で尿中の赤血球や白血球、細菌などを見たり、尿の成分を化学的に詳しく調べたりする検査が含まれます。
また、尿沈渣(にょうちんさ)検査や尿培養検査などさまざまな検査が尿検査に含まれます。
病院に行った時に「尿検査結果」と言われる場合は、たいていこうした詳しい検査の総称であることが多いです。
以下の表で違いをまとめてみました。
項目 | 検尿 | 尿検査 |
---|---|---|
内容 | 尿の色・におい確認、試験紙検査(糖・タンパク質検査など) | 顕微鏡検査、尿沈渣、尿培養、化学成分分析など専門的な検査全般 |
目的 | 簡単な健康チェック、スクリーニング | 疾病診断や詳細な健康評価 |
実施場所 | 健康診断、一般検査 | 病院の検査室や専門施設 |
難易度 | 簡易的で短時間 | 専門的で時間がかかることも多い |
検尿で使われる試験紙は意外と賢いんですよ。例えば尿中の糖の濃度を調べることで糖尿病の兆候をつかめたり、タンパク質を検出して腎臓の異常を早期発見できたりします。でも、これはあくまで簡単なチェックで、異常が見つかったらもっと詳しい尿検査が必要になります。健康診断の時に使う検尿は、健康状態をパッとざっくり見るための“早わかりツール”だと考えるとわかりやすいですね。