
確定拠出年金と確定給付企業年金の基本的な違いとは?
年金制度にはいろいろな種類がありますが、特に企業が関わる年金として確定拠出年金(DC)と確定給付企業年金(DB)があります。両者は名前が似ていますが、制度の仕組みや特徴が大きく異なります。
確定給付企業年金は、企業が将来の給付額をあらかじめ約束し、その金額を社員に支払う制度です。一方、確定拠出年金は、企業や社員が毎月一定の掛け金を積み立て、その運用次第で将来もらえる年金が変わる仕組みです。
つまり、DBでは受け取る年金額が決まっているのに対し、DCは受け取り額が運用成果次第で変わるという大きな違いがあります。これを理解することが、年金選びの第一歩です。
確定給付企業年金(DB)の特徴とメリット・デメリット
確定給付企業年金は、企業が約束した給付額を老後に安定してもらえることが最大のメリットです。たとえば、年金額が毎年一定であれば、生活設計が立てやすいですよね。
しかし、この制度は企業にとっては負担が大きくなりがちです。社員数が増えたり年金の支払期間が長くなったりすると、その分の費用を企業が準備しなければなりません。
また、企業が倒産した場合には年金が減るリスクもあるため、安定している一方で将来完全な保証があるわけではありません。
以下はDBの特徴をまとめた表です。
特徴 | 内容 |
---|---|
年金額 | 給付額があらかじめ決まっている |
企業負担 | 企業が金額を負担し運用も責任を持つ |
リスク | 運用リスクは企業負担。倒産リスクあり |
メリット | 将来の年金額が安定している |
デメリット | 企業に負担がかかり、環境変化で制度が不安定になる可能性もあり |
確定拠出年金(DC)の特徴とメリット・デメリット
一方、確定拠出年金では、掛け金の金額は決まっていますが、受け取る年金額は運用次第で変わるのがポイントです。自己責任で資産を運用するので、自分で投資信託や株などを選べる場合もあります。
この仕組みの良いところは、資産運用がうまくいけば年金が増える可能性があることです。ただし、運用が下手だった場合には給付額が減るリスクもあることを理解しましょう。
資産形成を自分で管理し、リスクを取れる人には向いていますが、安定を重視したい人には向いていません。
DCの特徴を表でまとめると以下のようになります。
特徴 | 内容 |
---|---|
年金額 | 掛け金は固定だが、給付額は運用成果で変動 |
企業負担 | 主に掛け金の負担。運用は個人が担当 |
リスク | 運用リスクは個人負担。市場変動の影響あり |
メリット | 運用がうまければ将来の受取額が増える可能性 |
デメリット | 運用失敗のリスクがあり、年金額が減る場合もある |
どちらが自分に合っている?選び方のポイント
年金制度を選ぶ際に大切なのは、自分の生活設計やリスク許容度を考えることです。
もし将来の年金を確実に決まった額で受け取りたい場合は確定給付企業年金が合っています。安定した生活を望む人や運用の知識が少ない人に向いています。
一方、自分で資産を増やすことにチャレンジしたい、将来の受取額が増える可能性があればいいと思う人は確定拠出年金がおすすめです。運用について勉強する意欲がある人に適しています。
また、昨今は企業の負担軽減のため確定給付企業年金から確定拠出年金へ移行するケースも増えているので、会社の制度内容をしっかり確認することも重要です。
まとめると、安定重視なら確定給付、成長重視なら確定拠出というイメージで選ぶとわかりやすいでしょう。
『確定給付企業年金(DB)』は企業が年金の支払い額を約束する制度ですが、じつは将来の企業の経営状況によっても左右されるんです。だから、企業がもしも倒産してしまうと、せっかく約束された年金も減ってしまうリスクがあるんですよ。
この点を知っていると、ただ安定しているから安心というわけではないことがよくわかります。年金も会社の健康状態に影響されるなんて、ちょっと驚きですよね!