
医療機器と福祉機器の基本的な違いとは?
医療機器と福祉機器は、どちらも人の健康や生活を支えるための道具ですが、その目的や使われる場面が大きく異なります。
医療機器は、病気の診断や治療を目的として使われます。病院やクリニックで、医師や看護師が使うための専門的な機器であり、例えば心電図計や人工呼吸器、注射器などがあります。
福祉機器は、主に高齢者や障がいのある人が日常生活をより快適に安全に過ごせるようサポートするための機器を指します。例えば、車いすや歩行補助具、入浴補助具などがこれに当たります。
つまり、医療機器は病気やケガを治すための機器、福祉機器は生活の中での自立や支援を目的とした機器といえます。両者は対象や使用場所、目的などが異なるため、明確に区別されています。
医療機器と福祉機器の法的な違いについて
医療機器と福祉機器には、日本の法律上でも違いがあります。
医療機器は「医療機器法(旧名称:薬事法)」によって厳しく管理されており、安全性や効果の確認が求められています。
具体的には、製造や販売をするには許可が必要で、機器の品質や安全管理が厳密にチェックされます。また、医療機器はリスクに応じてクラスI~クラスIVまで分類され、高リスクなものはより厳しい審査や管理が必要とされます。
一方、福祉機器の多くは「福祉用具」の範囲で、比較的緩やかな規制となっています。ただし、身体への直接的な影響が少なく、主に日常生活のサポートを目的としているため、医療機器に比べると安全管理の基準は異なります。
このように、法律の面でも役割やリスクに応じて明確な区別がつけられているのです。
医療機器と福祉機器の具体例と用途の違い
では、具体的にどのようなものが医療機器と福祉機器に分類されるのでしょうか?用途ごとに具体例をみてみましょう。
種別 | 具体例 | 用途 |
---|---|---|
医療機器 | 血圧計、X線装置、人工呼吸器、注射器 | 病気の診断、治療、病状の管理 |
福祉機器 | 車いす、歩行器、補聴器、介護用ベッド | 日常生活の支援や自立支援、安全確保 |
医療機器は医療行為を支えるための機器で、専門知識が必要となることが多いです。対して福祉機器は利用者自身や介護者が日常生活を楽に行うために使われます。
この違いを理解すると、それぞれの機器の重要性や使う場面に合った選び方ができるようになります。
福祉機器の中でも特に面白いのが「補聴器」です。補聴器は聴力を補う装置というイメージですが、最近の技術進歩でスマホと連携して音声の調整や環境音のフィルターができるものもあります。
また、補聴器は医療機器に含まれない場合が多いですが、利用者の生活の質を大きく向上させるため、福祉機器として重要な役割を果たしています。
このように福祉機器は単なる補助具以上の機能を持つこともあり、日々進化し続けている分野なのです。
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