
JISQ15001とは何か?
まずはJISQ15001について説明します。これは、日本工業規格(JIS)の一つで、企業や組織が個人情報を安全に管理するためのルールや手順をまとめたものです。正式には「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」という名称で、個人情報を守るために必要な仕組みを作る指針が書かれています。
たとえば、人の名前や住所、電話番号などの個人情報をどうやって集めて、どうやって使い、さらにどのように安全に保管すればよいかを細かく決めています。JISQ15001は企業が自分たちの個人情報保護の取り組みを整えるための規格と言えます。
この規格を守ることによって、お客様や社員の個人情報を間違って漏らしたり、悪用されたりしないようにすることができます。
ちなみに、JISQ15001はISO27001などの国際規格とも関連がありますが、日本の法律と合わせて作られています。
個人情報保護法とは?
個人情報保護法は、日本の法律で、個人情報をどのように扱うべきか法律で決めているものです。
この法律は、会社やお店、学校などが集めた個人の情報を守るための基本ルールを決めています。たとえば、勝手に個人情報を使ったり、人に見せたりしてはいけないこと、本人の同意を得ること、情報を安全に管理することなどです。
また、この法律は国全体で守らなければならず、違反すると罰則があるため、とても大切です。
つまり、個人情報保護法は個人情報を扱う上での国の決まりごとで、みんなが守らなければなりません。
JISQ15001と個人情報保護法の違い
では、このふたつの違いは何でしょうか?
1. 性質の違い
個人情報保護法は国の法律であり、すべての企業や組織が守るべきルールです。
一方、JISQ15001は企業が自分たちの個人情報管理をしっかりするために利用する規格(ガイドライン)で、法律ではありません。
2. 目的の違い
個人情報保護法は最低限守らなければならないルールを決め、個人情報の漏洩や悪用を防ぐことが目的です。
JISQ15001は法律を守りながら、より具体的で実践的な個人情報保護の仕組みを作ることが目的です。
3. 使われ方の違い
個人情報保護法は法律なので、違反すれば罰則があります。
JISQ15001は企業が個人情報を安全に管理していることを示すための認証を受けるための基準として使われることがあります。
わかりやすくまとめると、個人情報保護法は守るべき法律の枠組みで、JISQ15001はその法律をよりよく実践するための具体的なルールセットということです。
JISQ15001と個人情報保護法の比較表
ポイント | JISQ15001 | 個人情報保護法 |
---|---|---|
性質 | 日本工業規格(ガイドライン) | 国の法律 |
目的 | 個人情報の適切な管理のための仕組み作り | 個人情報の権利と安全を守るルール |
強制力 | 任意(認証などで利用) | 強制力あり(違反時に罰則) |
対象 | 主に企業や組織 | 全ての個人情報を扱う者 |
内容の詳細さ | 具体的な管理方法を規定 | 法律上のルール・義務を規定 |
まとめ
ここまでの違いをまとめると、
- 個人情報保護法は、すべての人や企業が守らなければならない国の法律です。
- JISQ15001は、法律を守ったうえで、企業がより安全に個人情報を管理するためのルールや仕組みを示したものです。
- 企業や組織は法律を守ることが最低条件で、それ以上にJISQ15001のガイドラインを取り入れてしっかり管理すると信頼を得やすくなります。
個人情報がみんなの生活でますます大切になる中、法律だけでなく実際の管理体制を整えることも大切です。
個人情報を扱う企業の方は、ぜひこのふたつの違いを理解し、安全安心な情報管理に役立ててください。
「JISQ15001」という言葉、聞きなれないかもしれませんが、実は企業が個人情報を守るための"お約束のルールブック"のようなものなんです。法律のように守らなければならない強制力はありませんが、あることで企業の信頼がグッと上がります。それは「認証」を受けること。例えば、この規格に沿って個人情報をきちんと管理していると認められると、『うちの会社は安心して情報を預けられるよ』とお客さんにアピールできるんです。こういう“見える化”は意外と大事で、デジタル社会の今、信頼の証となっていますね。
前の記事: « 地域福祉権利擁護事業と成年後見制度の違いとは?わかりやすく解説!