
n-3系脂肪酸とオメガ3脂肪酸の違いとは?
みなさんは、「n-3系脂肪酸」と「オメガ3脂肪酸」という言葉を聞いたことがありますか?
どちらも健康に良い脂肪酸として知られていますが、実はほとんど同じものを指す言葉なんです。「n-3系脂肪酸」とは、脂肪酸の炭素鎖の3番目の位置に最初の二重結合がある脂肪酸の総称です。
一方で、「オメガ3脂肪酸」は「オメガ(ω)」という記号を使って、同じく炭素鎖の終わりから数えて3番目に最初の二重結合がある脂肪酸のことを指します。
このため、「n-3系脂肪酸」と「オメガ3脂肪酸」は言い換え可能な用語で、基本的に違いはありません。
ですが、専門書や健康食品のパッケージなど、場面によって使い分けられることがあります。
それではもう少し詳しく見ていきましょう!
n-3系脂肪酸(オメガ3脂肪酸)の種類と特徴
n-3系脂肪酸には、代表的な種類がいくつかあります。
以下に主な種類と特徴を表にまとめました。
脂肪酸名 | 略称 | 主な特徴 | 主な食品例 |
---|---|---|---|
α-リノレン酸 | ALA | 植物由来で体内でEPAやDHAに変わる | 亜麻仁油、えごま油、くるみ |
エイコサペンタエン酸 | EPA | 青魚に多く含まれ、血液をサラサラにする効果がある | サバ、イワシ、サンマ |
ドコサヘキサエン酸 | DHA | 脳や目の健康をサポートする | マグロ、イワシ、サバ |
これらの脂肪酸は人間の体の中でそれぞれ働きが異なり、健康維持に欠かせないものです。
特にEPAとDHAは魚から直接摂取できるため、和食に多い魚料理はオメガ3脂肪酸を効率良く取り入れられる食生活として注目されています。
植物性のALAは体内でEPAやDHAに変換されますが、その効率はあまり高くないため、魚などから直接EPAやDHAを摂取することが健康には効果的とされています。
なぜ「n-3系脂肪酸」と呼ばれるのか?「オメガ3」との違いを化学的に説明
脂肪酸の名前には化学的なルールがあります。
n-3系脂肪酸の「n(またはω)」は炭素鎖の末端のメチル基から数え始めることを意味しています。
つまり、脂肪酸の炭素鎖の紫外線の入り口側(メチル基)から数えて3番目の炭素に最初の二重結合があるものがn-3系脂肪酸です。
これが「オメガ3脂肪酸」という呼び名の由来になります。「オメガ」はギリシャ文字の最後の文字であり、炭素鎖の末端を示しています。
そのため、化学的な表現では「n-3系脂肪酸」も「オメガ3脂肪酸」も同じ意味を表しているのです。
まとめると、
- 「n-3系脂肪酸」=炭素鎖のメチル末端から数えた位置に二重結合がある脂肪酸の総称
- 「オメガ3脂肪酸」=同じく末端(オメガ)から3番目に二重結合がある脂肪酸
この二つは同じものを違う角度で表現しているので、厳密には違いはありませんが、日常ではどちらもほぼ同義語として使われています。
オメガ3脂肪酸の中でも特に「DHA」は脳の働きを助けることで有名ですが、実は赤ちゃんの脳の発達にとても重要な成分なんです。だから妊婦さんや子どもにも魚を食べることが推奨されています。
面白いことに、DHAは魚に多いのですが、魚自身も食べているプランクトンからDHAを得ていることを知っていますか?
つまり魚は自然界の食物連鎖の中でこの貴重な脂肪酸を受け継いでいるんですね。これがなければ私たちも美味しい魚からDHAを摂ることができません。
健康のために魚を食べるだけでなく、自然のつながりにも思いをはせてみると面白いですね!