
難病医療費助成制度と高額療養費制度って何?
私たちが病気やけがで病院にかかると、医療費がかかります。難病医療費助成制度と高額療養費制度は、そんな医療費を助けてくれる制度ですが、どちらも名前が似ていてよく混乱します。
まず、難病医療費助成制度は、難しい病気を持っている人が医療費の負担を軽くするための仕組みです。難しい病気とは、例えば特定の遺伝子疾患や原因がはっきりしていない慢性的な病気など、長く治療を必要とする病気のことです。
一方、高額療養費制度は、病院の治療費が高くなったときに、一定の自己負担額以上を後から払い戻してくれる制度です。どんな病気でも対象になるため、例えば手術や長期入院で医療費が高くなったときに役立ちます。
このように、難病医療費助成制度は特定の病気に対する助成であり、高額療養費制度はすべての病気に関わる医療費の負担を軽くしてくれるものです。
それぞれの制度の対象や助成内容の違いについて詳しく解説
難病医療費助成制度の対象は、国が指定した難病患者で、医師の診断書や申請が必要です。対象になると、その難病にかかる医療費の自己負担額を軽くしてくれます。自己負担の上限は自治体によって異なりますが、一般的に月数千円から数万円が目安です。
また、医療費だけでなく、生活支援やリハビリテーションのための費用も一部助成される場合があります。
一方、高額療養費制度は、健康保険に加入している人なら誰でも利用可能です。1カ月の医療費自己負担が高額になった場合、その分を計算して一定額を超えた部分が払い戻されます。自己負担の上限額は所得や年齢によって異なりますが、例えば年収約370万円~770万円の人は約8万千円程度が上限です。
難病医療費助成と違い、一時的に医療費が高くなった場合に使いやすい制度といえます。
両制度の違いを表にまとめましたので参考にしてください。
難病医療費助成制度の面白いところは、「難病」という言葉の定義がとても厳密で、国が指定した病名しか対象とならないことです。だから、同じような症状でも対象になるかどうかは、その病気が「指定難病」に登録されているかどうかで決まります。このため、新たに難病が発見されたり基準が見直されたりすると、その制度の対象が変わることもあるんですよ。医療の進歩や社会の理解とともに、こうした制度も柔軟に対応しているんです。