
かかりつけ医と家庭医の基本的な違いとは?
みなさん、病院やクリニックで「かかりつけ医」とか「家庭医」という言葉を聞いたことがありますか?
かかりつけ医も家庭医も、普段から患者さんの健康を見守ってくれる身近なお医者さんですが、じつは少し違いがあります。
まず、「かかりつけ医」とは、日頃の体調管理を任せることができる自分専属の先生のことです。急な病気になったときや、健康相談をしたいときに頼れる「かかりつけ」のお医者さんを持つことで、安心して生活できます。
一方、「家庭医」とは、かかりつけ医の中でも幅広い医療知識をもち、家族みんなの健康を継続的にサポートできる専門的な医師を指します。家庭医は子どもから高齢者まで家族全員を診ることができ、生活習慣病から精神的なケアまで幅広く対応します。
つまり、 すべての家庭医はかかりつけ医ですが、かかりつけ医すべてが家庭医ではないという関係です。
わかりやすく言うと、かかりつけ医は“自分にとってのかかりつけの先生”、家庭医は“家族全体の健康をトータルで支えてくれる専門家”と考えてください。
かかりつけ医と家庭医の役割の違い
具体的に、この二つのお医者さんがどんな役割を果たすのか見てみましょう。
まず、かかりつけ医は、主に自分が困った時に気軽に相談できる身近な存在です。例えば、風邪をひいたり、ちょっと気になる症状があった時に「どうしよう?」と思ったら頼れる先生です。
また、健康診断の結果をもとに病気の早期発見や予防指導も行います。必要に応じて専門家に紹介状を出す役割もあります。
対して、家庭医は、単に一人の患者だけを見るのではなく、家族全体の健康管理を長期間にわたって支える医師です。彼らは子どもの発育や高齢者の介護、慢性的な病気の管理、心の問題まで幅広く対応します。
さらに、地域の医療や福祉と連携し、患者や家族が住みやすい環境づくりにも力を注ぎます。
このように、かかりつけ医は近くで頼れる基本的な相談相手、家庭医は家族や地域の健康をトータルに支える専門家だと覚えると良いでしょう。
かかりつけ医と家庭医の資格や制度の違い
次に資格や制度の違いについて説明します。
かかりつけ医に明確な資格があるわけではなく、多くの内科医や小児科医がかかりつけ医として患者さんを診ています。つまり、 かかりつけ医は医師の立場や専門にかかわらず、患者が自分で選び信頼する医師を指す言葉です。
一方で家庭医は専門の研修を受け、「日本プライマリ・ケア連合学会」などが認定する資格を持っていることが多いです。家庭医はプライマリ・ケア(初期医療)の専門家として幅広い知識と技術をもっています。
また、家庭医は地域医療や包括ケアシステムにも携わりやすく、患者や家族のQOL(生活の質)向上にも貢献しています。
下記の表で違いをまとめました。
項目 | かかりつけ医 | 家庭医 |
---|---|---|
定義 | 自分専属の信頼できる医師 | 家族全体や地域も支える専門医 |
資格 | 特に必要ない | 専門研修・認定資格あり |
役割 | 病気の相談・紹介など | 生活全般・心身の健康管理 |
対象 | 個人 | 家族・地域 |
対応範囲 | 主に一般的な病気 | 幅広い健康課題・長期管理 |
この違いを知ることで、かかりつけ医を誰にするか、家庭医を探すべきかの判断材料になります。
「家庭医」という言葉はあまり日常で聞きなれないかもしれませんが、実は日本の医療でとても重要な存在です。家庭医は、単に病気を治すだけでなく、家族全員の健康を長い目で見てくれる専門家なんですよ。たとえば、おじいちゃんの糖尿病と孫の風邪を同じ先生が管理してくれるイメージです。病気だけでなく、生活習慣やメンタルケアも含めてサポートしてくれるので、安心感が違います。地域の医療を支え、みんなの健康の“心強い味方”なんですね。意外と知られていないので、この機会に覚えておくといいですよ!
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