
腱鞘炎と関節痛の違いとは?基本の理解を深めよう
私たちが手や足を動かすときには、多くの筋肉や骨、そして関節や腱が関わっています。
その中でもよく耳にする「腱鞘炎」と「関節痛」。
似ている名前ですが、実は全く違う病気や症状を指しているのです。
まずは基本から違いを確認しましょう。
腱鞘炎は、筋肉と骨をつなぐ腱を包んでいる「腱鞘(けんしょう)」という鞘(さや)が炎症を起こす状態です。
一方、関節痛は骨と骨のつなぎ目にある関節部分で痛みが生じることで、関節自体の問題や周囲の組織の病気の可能性があります。
このように、腱鞘炎は腱やその包みの炎症で、関節痛は関節まわりの痛みという風に、原因となる場所が違うのが特徴です。
同じ手や指が痛む場合でも、痛みの場所や状態に注目することで、どちらが原因かを見極められます。
分かりやすい言葉で言うと、腱鞘炎は「腱のケースが炎症して痛む」、関節痛は「骨と骨のつなぎ目が痛む」ということになります。
それでは、次にそれぞれの症状や特徴を詳しく見ていきましょう。
腱鞘炎の症状や原因、治療法について
腱鞘炎は、よく指や手首に起こることが多いです。
いわゆる「スマホ腱鞘炎」や「ばね指(ばねゆび)」も含まれます。
主な症状は次の通りです。
- 指や手首の痛み・熱感・腫れ
- 動かすとカクカクする、あるいは動かしにくい
- 指が突然曲がったまま戻らない(ばね指)
原因は、指や手首の使い過ぎで長時間同じ動作を続けることが多いです。
パソコン作業やスマホの操作、楽器の演奏などが代表的なものですね。
治療としては、使い過ぎを避けることが第一です。
それに加えて、炎症を抑えるためにアイシングや安静、場合によっては湿布や痛み止めの薬を使います。
症状が重い場合は、病院でステロイド注射や腱鞘の手術が行われることもあります。
正しい対処を行えば、きちんと治ることがほとんどですが、繰り返すと慢性化してしまうので注意が必要です。
早めに気づいて、無理をしないことが大切です。
関節痛の原因と見分け方、対処方法
関節痛は腱鞘炎とは違い、関節そのものやその周囲の炎症、あるいは病気によって起こる痛みです。
例えば以下のような原因があります。
- 関節リウマチや変形性関節症などの慢性の関節疾患
- 関節に負担がかかりすぎたための使いすぎ
- 外傷や打撲による炎症
症状としては、
- 関節の痛みだけでなく、腫れや熱感
- こわばりや動かしにくさ
- 関節の変形が見られる場合もある
腱鞘炎と違って、関節痛は関節付近の痛みであり、動きが制限されることが多いのが特徴です。
関節痛の対処では、原因しだいですが、炎症を抑える薬やリハビリ、適度な運動が効果的です。
特に関節リウマチなどの場合は、早期の専門的治療が大事になってきます。
また、変形性関節症では体重管理や生活習慣の改善も必要です。
日常生活で無理をせず、気になる痛みは専門家に相談しましょう。
腱鞘炎と関節痛の違いをまとめた表
ここまでの内容を分かりやすく表にしてみました。
項目 | 腱鞘炎 | 関節痛 |
---|---|---|
痛む場所 | 腱や腱鞘(主に指や手首の腱の通り道) | 骨と骨のつなぎ目である関節部分 |
主な症状 | 痛み、腫れ、熱感、指の動きの異常(ばね指など) | 痛み、腫れ、こわばり、関節の変形 |
原因 | 使いすぎ、同じ動作の繰り返しによる炎症 | 関節疾患、負担・外傷、慢性的な変形 |
治療法 | 安静、アイシング、薬物治療、場合によって注射・手術 | 薬物療法、リハビリ、生活習慣改善、専門的治療が重要 |
このように、症状や原因、治療法が異なるため、自己判断せず医師に相談することが大切です。
まとめると、腱鞘炎は主に筋肉を骨に繋ぐ腱の周りの炎症、関節痛は骨同士を繋ぐ関節部分の痛みという違いがあります。
どちらも放置せず早めの対策で、健康な手足を保ちましょう。
腱鞘炎のなかでも"ばね指"というのは面白い現象です。指の曲げ伸ばしのときに、腱鞘が炎症で狭くなり腱の動きがスムーズでなくなります。すると指を曲げたときに引っかかりが生じ、カクンと弾けるように動くのです。この症状の名前が"ばね指"。実はこれ、昔のばね仕掛けのオモチャの動きに似ていて名前がつけられました。指の小さなトリックですが、日常の中で起きる体の不思議な仕組みの一つなんですよ。
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